第六十三話 ファーリングジェネカー
| イタリアのバマーという会社をご存知でしょうか?ファーラーなど、マリン関連の艤装を製造 しているメーカーです。日本ではあまり馴染みは無いかもしれませんが、当社のコマー社 などはそこから仕入れています。 このメーカーから新しいファーリングジェネカーが発表されました。これまでもファーリングジェ ネカーはありましたが、ここのシステムは従来からあるジェネカーを何の改造もせずそのまま 使える。さらに、ジェネカーのラフをファーリングする為にテンションをかける必要が無いという ものです。 例えば、一般的にはファーラーにはドラムがあり、セールを出すか巻き取るにはセールのラフ が真っ直ぐになっていなければなりませんでした。その為に、セールのラフ側にロープを入れ 肩を落としてやらなければなりませんでした。形的には深いドラフトのジェノアのような形でし た。ところが、バマー社の新作は、そのままのジェネカーセールで、ドラムとよれないロープ があり、セールはタックとピークしか固定されない。それで、ドラムを巻くとピーク側から順に 下に向かって、ロープに巻きつくようになっています。つまり、ハリヤードで上げて、テンション をかける。セールはピークとタックだけが固定され、通常通りの展開ができる。巻き取る時は 固定されたピークからこのロープに巻きつける。ちょっと、言葉では解りにくいかもしれません が、セールを全く改造しなくて良いという事と、ファーラーでは無い通常のジェネカーと全く同じ 性能であるという事です。 またひとつ便利グッズが出て来ました。それにこれは巻いたまま走る事もできるそうです。 つまり、出航前にハリヤードで上げておき、必要時に展開できる。そして、まいたまま帰って くる。そして、マリーナで降ろせば良い。スポーツクルージング派には嬉しい装置ではないで しょうか。ジェネカーが気軽に使えるようになれば、面白さは倍増します。これまでは後ろから の風はジェノアを開くのにウィスカーポールを使ったり、苦労していました。でも、これからは ジェノアからすぐにジェネカーに切りかえる事ができます。そうするとますます、ヘッドセール はジェノアでは無く、小さなジブで良い。横から後ろに回ってきたら、すかさずジブファーラー を巻いて、ジェネカーを広げる。再び、風が前に回ったら、ジェネカーを巻いて、ジブに切りかえ る。そういう事が簡単にできるようになりました。興味のある方は、ご連絡下さい。但し、ドラム があるので、フォアステーから離しておく必要がありますので、ポールを出すのが良いそうです。 さらに、もうドラムの巻き取りが電動というタイプもできてます。まあ、でかいヨット用でしょうが、 海外ではいろんな物が出てきますね。 |