第七十四話 セーリング

昨日は雪が降り、非常に寒かったのですが、今日は良い天気に恵まれセーリングに行って
きました。わずかな時間でしたが、良い風吹いて、とてもグッドフィーリングでした。他にも
2,3艇出ていましたが、今日はみなさん堪能できたのではないかと思います。良く走って
くれました。今日のようなデイセーリングで良い風吹いてくれますと、短時間でも充分堪能
できますね。どこを走っているかは全く関係無く、どこでも海ならそれで良い。つまり、行き先
はどうでも良いと感じます。

ゲストに子供と未経験者を乗せていましたが、今日のようなグッドセーリングを経験しますと
たちまち虜になってしまう。素人を乗せているからと言って、のんびり走るわけでは無く、でき
るだけスムースに速くを心がけます。ティーラーを持たせると、子供は喜んでやります。この
子はちょっと引きこもりだったようですが、この日で3回目、随分元気になって、ヨット部に入る
と言い出し、親を喜ばせてくれたようです。自然の中で、こういうグッドフィーリングを得ると、
人間はパワーを得るようです。元気になります。ゆったり、のんびりだけではこうは行かない。

ヨットは向こう合わせの釣りのようなものでしょうか。風が吹かないとヨットは走れない。そして
いつも良い風が吹いてくれるわけでは無い。今日のような日は誰が出ても、良いセーリング
が堪能できたと思いますが、そうでは無い時、風が全く無いならどうしようも無いのですが、
どんな時でも、できるだけ良いセーリングを心がけるようにしたいものです。水面を見て、風の
ある所を探す。トリミングを考える。こういう普段の姿勢がグッドセーリングをより多く経験でき
る方法でしょう。つまり、向こう合わせのセーリングを待つならば、チャンスは少ない。でも、
こちらの姿勢いかんによっては、チャンスは広がります。

例えクルージング派でも、いつものんびりゆったりセーリングをしたいと思うでしょうか?例え
口ではそうは言っても、滑らかに走ると喜ばれます。後ろから来たヨットに追い抜かれると、
悔しくなる。本当は誰でも、速く走りたいのではないでしょうか。そうしたら、気分が良くなる
なら、みんな速く走りたい、グッドセーリングがしたいと思っているはずです。そして、今日の
ような日はたいした事しなくても、グッドセーリングができた。でも、こんな日はそうは無いので
再び、ピクニックセーリングになってしまう。ピクニックセーリングとスポーツセーリングは、そこ
から得られる感覚は異なるものです。観客とプレーヤー程の差があるのではないかと思います
観客は観客の立場で楽しめるものです。でも、プレーヤーになった方がもっと楽しめる。プレー
ヤーはどんなコンディションでも、積極的に良い走りを求めて帆走します。ですから、何倍も
グッドセーリングを体験できます。向こう合わせでは、偶然を待つしかありません。でも、この
幸運はそんなに多くは無い。でも、プレーヤーになったら幸運は多くなる。

招待されたゲストはピクニックセーリングでも満足するでしょう。でも、ピクニックセーリングを求
めているわけでは無いと思います。ただ、どんなものか知らないから、ピクニックはそれなりに
楽しい。でも、スポーツセーリングを味わうと、楽しさが興奮に変わり、脳内アドレナリンが出て
エキサイトなフィーリングを持って帰ってもらう事ができる。自分も同じ。それをオーナーなら、
自分で舵を握って、セールを操作して、自分で起こした出来事でハイな気分になれる。それを
味わっていただきたいと思います。それには、風がある時も無い時も積極的に求めなければ
なりません。求める者だけが味わえる。そして帰って来た時も爽やかで、キャビンで暖かいコー
ヒーを頂く時も、たった今得たフィーリングを持って会話も弾む。どんなごちそうよりも、素晴らしい
ご馳走です。そして、暖かいコーヒー一杯でも最高のご馳走になる。ご馳走はうまいものですが
それを食べる気分の方が大切です。気分さえ良ければ、一杯の暖かいお茶が最高にありがたい。

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