第二十五話 セーリング日和

先日の土曜日、博多には良い風が吹きました。天候は快晴、最高の一日でした。この日は
30フィートのヨットでしたが、実に気持ちの良い、涼しくて、ヨットはすいすい走ってくれますし
言う事無し。こういう時に乗らなくて、いつ乗るの?という感じでしたね。

しかしながら、出航していたのは、数艇でしたので、残念です。でも、オーナーも気持ちの良い
セーリングを堪能できたので、気持ち良かったと思います。私がセールの伸びが無かったら、
もっと快適だったはずと一言、言ったものですから、帰ってきてから、セールの買い換えの話が
出ました。私はセール屋ではありませんので、セール売ってビジネスとしているわけではありま
せんが、でも、オーナーがその気になって、もっと良いセーリングをしたいと思われる事には大
賛成なのです。

どんなに調整してもセールはフラットにはなりませんでした。それでちょっとジェノアを小さくして
帆走したのですが、こういう日は、それでも良く走ってくれた。でも、こういう日にこそ、伸びてい
無いセールで、走っていたら、もっともっと快適だったはずです。それこそしびれるようなセーリン
グができたと思います。それにジェネカーがあれば、帰りのダウンウィンドはもっと面白かっただろ
うにと思いました。

私は、もっと帆走を楽しみましょうといつも言っています。それでようやくですが、何人かの方々
が賛同していただけるようになりました。20年も使ったらセールはもう良いでしょう。新しいセー
ルにして、これからのセーリングライフを楽しい物に創造していく事が大切です。今日は吹かない
から、今日は風が強過ぎるから、今日はクルーが集まらないから、今日は寒いから、今日は暑い
から、今日は.......。乗れない理由を見つけるのは簡単なのですが、それでは、いつまで
たってもヨットを心から面白いと感じるようにはならないでしょう。どうやったら、面白いセーリング
ができるか、それを各人が創造しなければなりません。その為には、まずは船底をきれいにして
よれよれのセールをバリッと新調する事、過去はどうだったかはどうでも良いのです。これから先
どんなに楽しめるか、或いは楽しくないかは自分次第なのです。クルーのせいでも、天候のせい
でもありません。面白く無のは自分のせいです。何も、難しい事をしようというわけではありません。
今では、便利な艤装がどんどん出てきました。それを多いに使って、セーリングを楽しめば良いと
思います。

冷蔵庫や、ドジャー、ビミニトップ、オーナーズチェアー、電子レンジ、エアコン、広いキャビン、温水
シャワー、電動トイレ、電動アンカーウィンドラス、こういう物をどんどん充実させても、ぜんぜん乗って
いない。楽しんでいない。ならば、そんな物にお金を使うより、船底掃除とセールにお金を使っていた
だきたい。そして帆走する為の艤装、バング、バックステーアジャスター、シートやハリヤードは古く
なってごわごわしている。そういうのを新調して、セーリングが気持ちよく、走れるようにこちらを整備
して頂きたい。そうすれば、目の前のフィールドで、セーリングをもっともっと堪能できる。その方が良く
ないですか?

ヨットは家でも無ければ、単なる乗り物でも無い。ヨットはセーリングするものです。セーリング自体が
面白く無いのなら、ヨットである必要性は無い。今から、すぐにできる帆走をしましょう。

この時、ヨットに乗るのは2回目という方がおられました。非常に気に入られたようです。セーリングが
楽しかったのだと思います。誰でも,最初はそうだったはずです。是非、思い出してください。いつから
か、セーリングを楽しむ心を忘れていないでしょうか

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