第十七話 シンプル装備

シンプルな装備になったら何か困るだろうか?ギャレーの清水を使う。家庭の蛇口をひねれば
すぐに水がでる。でも、そんなに水を使っているだろうか?毎日のように料理をして、たくさんの
皿洗いをしなければならないだろうか?全くそんな事は無い。電動にする為にはプレッシャー
ポンプが必要で、それに圧を溜めるアキュムレータータンクが必要で、おまけにホース接続が
多くなれば水漏れの原因にもなる。

夏の暑い時は冷たいビールは有難い。でも、冷蔵庫が無いと困るだろうか?その日に飲む為
の量を買って、携帯程度のアイスボックスでは困るだろうか?冷蔵庫をにはコンプレッサーが
必要で、バッテリーを消耗し続けなければならない。それではバッテリーが心配なので、エンジ
ンで充電しなければならない。せっかくのヨットで、静かなセーリングがエンジンの音で乱される。

ガスコンロのオーブンは誰も使わないし、ガスコンロ自体もせいぜいお湯を沸かす程度で充分では
ないか?ならばカセットコンロの方が気楽ではないか?プロパンガスの元栓を開けて、コンロに火
をつける。ガス漏れの心配もある。

温水シャワーはどうか?温水シャワーにはプレッシャーポンプが必要になるが、夏なら水でも良い
し、冬ならシャワーなど浴びない。シャワー自体が本当に必要だろうか?

もっと他にもあるかもしれない。本当に必要な物とそうで無い物はきちんと考えた方が、それだけ
把握するのにエネルギーを不要とする。

一方、必要と思うのは、風向風速計、スピード計、これらはセーリングを把握するには便利な計器
です。それにデプス計はまあ一応あった方が良いかなと思います。それにGPSも便利で、いくら
知っている海域だとしても、霧がで視界が悪くなったり、突然の大雨で見えなくなったり、やはり
位置が向かっている方角がきちんとわかると安心でもある。それに潮の流れが解るので、これは
ほしいと思います。後は、CDステレオぐらいかな、音楽は必要です。私の場合ですが。

トイレも無くても大抵は困らない。男の場合はですね。でも、女性を乗せるとそうはいきませんので、
これは置いときましょう。でも、必ずしも個室でなくても、ハッチを全部しめれば個室になります。
それに女性もめったには使わない。

できるだけ電気を使わない物で装備をしていくと、把握するのがやりやすいのでエネルギーがあまり
要らなくなります。見れば解るというのが多くなるのは、解りやすい。バッテリーもそんなに使わない
それでも何ら困らない。その分エネルギーを他の事に使えます。船底に開いたバルブはトイレの給排
水、ギャレーシンクの排水、そしてエンジンの冷却水の4個。ビルジに海水が溜まったら、4個のバル
ブの所かプロペラシャフトのスタンチューブ、これも今時のPSSとか、セールドライブなら漏れは無い。
溜まっているのが清水なら、雨水か清水タンクからの漏れ、バッテリーの使い方、充電の仕方、エン
ジンの冷却水の流れ、燃料がエンジンに行って、余った燃料がタンクに戻る流れ、清水がタンクから
ギャレーに行って、艇外に出る流れ、トイレの入りと出、そういう事を把握しておかなければなりません
それにセールハンドリングやそのほかにもたくさんあるわけで、それならできるだけエネルギーは困ら
ない限り、シンプルにする事によってエネルギーの配分をセーリングにもっていきたい。

整備は何もエンジンやその他に機器だけではありません。船体を洗う、チークを磨く、外装の美しさも
大切な整備です。誰でも、きたない汚れたヨットより、きれいなヨットに乗った方が気持が良い。
こういう事には困らないのでシンプルが良い。でも、今度は見た目の美しさは、その人なりのこだわり
があっても良いと思います。これは困るとか困らないの問題では無いからです。遊びですから、必要
とか不要とか、便利とか不便とか、そういう問題では無く、単なる自己満足に過ぎないかもしれない
けれど、何かの仕事をするとかいうのではありませんから、充分自分自身を満足させるデザインとか
美しさをかは遊びには大切ではないかと思います。

こういうヨットで自由自在にセーリングしたい。

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