第七十三話 デイセーラーのさらなる台頭

デイセーラーをご紹介していますが、またまた艇種がどんどん増えてきています。
アレリオンは38を、Jボートは124を、モーリスは36に続いて42を、それに、
ブルックマンも42フィートを出してきた。これは確実に、ショートハンドのデイセー
リングからウィークエンドの気軽なセーリングを望む方々が増えてきた証拠でしょう

ヨット先進国だからといってみんながレースやロングに出るわけでは無い。もちろん
外洋に出る人は多いかもしれない。でも、同時に、外洋なんかに出る暇が無い人、
或いは外洋なんかで時化に合うのはまっぴら御免と思う人も多いはずです。ヨット
は遠くへ行くもんだという事は無いわけで、自由に行きたい所へ行けば良い。行き
たく無い所は行かなくて良い。そういうあらわれではないかと思います。

これらが皆、クラシックスタイルなんですね。高品質で高価ときている。まだまだ、日
本市場では難しいかもしれませんが、確実にこういうヨットは増えてくると思います。
何故なら、その方が気軽で楽しめるからです。意識がそこまでは行ってはいませんが
その方が気楽にヨットを楽しめる事、それがきっと解ってくると思います。殆どの人たち
が忙しく働いているのに、外洋なんかそうはいけません。行けるような暇ができる時は
年齢を重ね体力的な事もでてくる。世界一周しようなんて人はほんの一握りです。
多くの人たちは毎日働いて、時々の時間をヨットにあてる。その時々はデイセーリング
であって、ウィークエンドセーリングがぴったりなのです。にも拘わらず、そういうヨット
は小さいヨットだけでした。でも、今は大きなヨットであってもそういう乗り方のヨットが
でてきた。一人か二人で楽に操船できるコンセプトのヨットが出てきた事は、それが
解ってきた事と、オーナーがそういう意識にやっとシフトしてきたという事でしょう。

デイセーリングをもっともっと重視すべきです。気軽なセーリングをもっとしようではあり
ませんか。遠くに行くだけがヨットではありません。近場へ、エンジンでは無く、セーリング
で、プロセスを楽しみながら、走らせる。これまであまり重視してこなかった事かもしれ
ませんが、実際はこういう乗り方が大半だたはずです。それなら、こういう向きのヨット
が今まであまり出てこなかったのが不思議なくらいです。そして、こういうヨットが流行って
くると、必ずセーリングが重視されるはずです。そうすると帆走性能であるとか、艤装の
仕方、セーリング操作が重視されてきます。という事はこれはスポーツセーリングに繋が
っていくと思います。レースでは無いが、自分の知識を使って、知的ゲームが面白いと
いう事になる。もっともっと多くのモデルが出てくる事、そしてもっと安い価格帯のヨットも
望まれる。こういう潜在需要は多いと思うのですが、いかが?

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