第二十三話 ジブブーム&バウスプリット

最近、私の周りで何人かがセルフタッキングジブを使ってあります。話を聞いて
みますと、冬は風が強いので、というのがその理由だそうです。夏はジェノアで
冬は小さくセルフタッキング、シングルハンドにはもってこいだそうです。オール
シーズンセルフタッキングにするには、メインセールが小さ過ぎるので、そうも
いかないそうだ。

セルフタッキングにすると、上りは良いのだが、風が後ろに回ると、シートのリー
ド位置の関係上極めて効率が悪い。セールがうまく開けない。まあ、これは通常
のジェノアでも言える事ですが、セルフタッキングはさらに良くない。それで、後ろ
の風の時は通常のジブトラックを使えば、良くなる。

しかしながら、これではせっかくのセルフタッキングのメリットが減少するので、何
か方法はないか。それがジブブームです。ジブセールのメインと同じようにブーム
を設置する。するとどの角度からでもジブをきれいに開ける。まあ、これならジェネ
カー無しでも帆走できます。それに、セルフタッキングに必要な左右に走るトラック
が不要となる。

しかしながら、このブームにはこれを吊り上げるリフトが要る。そして、下から引く
シートも要る。それにジブシートも要る。ちょっと面倒です。それで考えられたのが、
ジブのフットに沿ってバウデッキに設置されたカーブしたブームです。このブームは
フリーで回転します。リフトが不要です。現在、アレリオンとかJ100とかに設置され
ます。これは簡単な物ですが、かなり優れものではないかと思います。残念ながら
一般ヨットに設置できるような物としての販売はなされていないのですが、どうにか
造れると面白いのですが。

もうひとつはバウスプリットです。当社でもファーリングジェネカーというのを取り扱っ
ていますが、これは優れものです。しかしながら、それを使うにはバウスプリットが
不可欠になります。これが難題。いろんな形状をしたヨットがありますので、それに
1本1本造るのが現状ですが、これでは高価。何とか、いろんな種類のヨットに設置
できるバウスプリットは無いもんかと思案していますが、まだ良いアイデアが浮かび
ません。

セルフタッキングジブとジブブーム、それにファーリングジェネカー、この二つはシン
グルハンドをするのにおおいに役立つと思います。ダウンウィンドになるとどうしても
ジェノアがうまく開けないので、かといって通常のジェネカーではシングルでは簡単
にはいかない。セーリングを面白くするには、このダウンウィンドを解決すれば、とて
も面白く展開できると思います。それにはこの二つが役立つのではと思案しています

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