第四十七話 一般的クルージングヨット
多くのクルージングヨットが大きなキャビンを売りにしています。コクピットの邪魔に ならないようにメインシートトラベラーをキャビン入り口の向こう側に追いやっていま す。重心も高くなるし、おまけにバラスト比も昔に比べて低くなってきています。 これらはセーリングよりもキャビンライフ重視になってきていると思います。全部と は言いません。 キャビンライフを多いに楽しもうという事では悪い事では無いのですが、デイセーリ ングをするならセーリングが面白い方が良いと思います。それで今あるヨットをデイ セーリングで楽しもうと思う場合、クルーが居るなら結構ですが、シングルなら、少な くともメインシートトラベラーはコクピットにほしい。それが遠ければ、オートパイロット を使う事になるでしょう。ティラーならまだ良いですが、ラットならジブシートウィンチも ちょっと遠いかもしれませんね。キャビン入り口の向こう側にメインシートがあると、 ストッパーを介して、ウィンチにかかっている。ストッパーを解除して、ウィンチを回す どうしても片手でひょいとはできません。それに、テコの原理で、ブーム中央から引い ていますので、より大きな力が必要になります。ですから、セーリングにはメインシー トはコクピットにあった方が良い。 でも、仕方ないのでオートパイロットを使う。オートパイロットをオンにして、シートの 出し入れをします。また、オートタックという機能があり、スイッチを押せば、自動的に 90度舵を切ってくれますので、一人でジブを簡単に入れ替えできます。タック完了し て、オートパイロットを切って、また自分で舵を握る。ティラーならオートパイロットを 使わなくても、両足でティラーを挟んでひざでコントロールして舵が切れる。開いた両 手で、左右のシートを握って、タックができる。 トップリグの大きなジェノアを使っているならば、ブローの対応などはジェノアを使った 方が良いと思います。出すのは良いんですが、引くにはウィンチハンドルを回さなけ ればなりません。強風の時、或いはセルフテーリングでは無い時、どうしても両手が 居る。オートパイロットの出番でしょう。 これからヨットを購入される方、シングル/デイセーリングを楽しみたい方は、コクピッ トにメインがあるヨットをお薦めします。 |