第八十一話 ノルディックフォークがやって来る

今春にはデンマークからノルディックフォークがやってきます。欧米ではすっかり
お馴染みのヨットですが、日本ではこれからのヨットだと思います。今回のヨット
はオーナーのご指定によって、本来はスプルース(ウッド)マストが標準なのです
がアルミマストに換え、コクピットはセルフドレーニングに変更しています。

 

ハルカラーは何種類かの色を選択できますが、今回はネイビー、デッキはホワイ
トにライトグレーの2トーン、ちょっと引き締まった感じがしますね。このサイズで
ロングキール、53%のバラスト比、低いフリーボード、頼もしさを感じさせてくれる
ヨットです。25フィートですから、実に扱いやすいサイズ、それに頼もしい走りです
から、本気モードのヨットマンにはもってこいの本気ヨットです。

ご覧の通り、狭いながらもちゃんとキャビンはありますので、ちょっと寛ぐには充分
なスペースでしょう。シンプルな内装ながら、セーリング艤装は充実しています。

ヨットに多くを望むのでは無く、もっと気軽で、自転車感覚で、シングルで、近場の
セーリングを堪能したい。2、3時間で快走してくる。それでいて、このヨット、強風
にはめっぽう強い。これまで日本にはこんなヨットは無かった。でも、これからは
そういう時代です。そういう遊び方も有りではないでしょうか。

 ご覧の通り積み込まれましたので、3月
 はじめには博多に来ます。それから艤装
 して、検査とって、オーナーへ引き渡しで
 す。









日本では、バブル以降、一気にヨットが大型化しました。それでおおいにヨットが
普及したのはメリットですが、反面、こういう気軽なヨットとか、日常におけるセー
リングとか、そういう事が軽んじられてきたような気がします。本当にヨットって、そ
れで良いんだろうか?と思う次第です。我々業者としては、大きなヨットが売れれば
嬉しいのですが、果たしてそれで良いのか。もちろん、大きいのも売れてほしいの
ですが、こういうヨットも売れてほしい。いや健全な形としては、大型ヨットより何倍
もこういうヨットが売れた方が良い。その方が健全だと思いますね。

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