第三十一話 アレリオン特集

シングルハンド/デイセーリングヨットのベストセラーと言えば、アレリオン28です。クラシックな美しいルックスでありながら、水線以下はモダンな船型、自由自在に操り、そのセーリングを楽しめる
昨今のデイセーリングヨットのきっかけを作ったヨットとも言えます。

全長は28フィート3インチ(8.61m)、水線長:22フィート10インチ(6.96m)、バウとスターンにオーバーハングを持ち、クラシックヨットの特徴です。これは低いフリーボードながら、波がデッキにあがりにくくするデザインだし、スターンは追い波の影響を軽減してくれます。これによって少し水線長は短くなりますが、ここはクラシックな美しさをキープしながら、クルージング艇としての乗りやすさを保っています。幅は8フィート2インチ(2.49m)と細身、これもクラシック艇の特徴です。初期ヒールはしますが、ハルデザインの低い重心と排水量2.56tに対してバラスト990kgはバラスト比38.7%はそれからぐっと持ちこたえるスタビリティーがあります。

セールはフルバテンのメインセールに100%のファーリングのセルフタッキングジブ、ブームの長さ(E)が3,81mに対して、フォアステーのチェーンプレートからマストまで(J)が2.97mですから
マストの位置がぐっと前に位置し、メインのラフ長(P)が10.06m、ジブのIが9.14mですから、大きなメインセールのフラクショナルリグです。ジブをセルフタッキングにする事によってシングルでの取り扱いが容易になるかわり、セルフタッキングによりセールエリアの減少に代わり、大きなメインセールで補う。これで、シングルで、取り扱いがし易いうえに、帆走性能も良いという事になります。実際、セールエリアはメインが19.16u、ジブが13.57u、合計で32.73uです。実際、排水量に対するセール面積比は17.6です。これは結構良い数値で、ハイパフォーマンスに入る数値です。

一方、水線長の排水量に対する比は、排水量は214で、中排水量の軽い側に入ります。前後にオーバーハングがあり、それでもこの数値ですから、実際セーリングしますと、実効水線長はもう少し長くなり、充分なスタビリティー(低い船体重心とバラスト比)を考えますと、かなりクルージングとしてハイパフォーマンスのセーリングができます。そのハイパフォーマンスをシングルで、操作がしやすくデザインされているのが特徴、まさしくデイセーリングを堪能できるデザインです。これらを可能にしているのが、船体をサンドイッチ構造にするのとSCRIMPシステム工法によるグラスに対する最適樹脂量を可能にした工法です。前後のオーバーハングで水線長は短くなりますが、それに対してのこの工法によって軽く強く建造できる。実に、全体を入念に計算し、デザインされたヨットである事がわかります。

セルフタッキングジブの効用はメインセールと同じようにタックジャイブが簡単にできる。それにジブブームを設置する事によって(特許)、あらゆる方角からの風に対しても効率良くジブを展開できる。大きなジェノアはダウンウィンドでは非常に効率が悪いので、それに比べたら、スピンを張らない限りこちらの方が遥かに効率は良い。シングルを前提に考えると、退屈なダウンウィンドでも、このジブブームによってエキサイティングなダウンウィンドセーリングが可能になります。これはオートマチックなウィスカーポールを設置しているようなものです。

デイセーリングの面白さを演出するには、セーリングをエキサイティングに、自由自在にするのが一番です。それには、このアレリオン28は最適なパフォーマンスを備え、尚且つ、シングルセーリングを容易にしています。これ以上の面白さは無いでしょう。それに気がついた市場は、どんどん増えています。このアレリオン28のビデオを是非ご覧下さい。アレリオンのエッセンスが良く解ります。アレリオンビデオ

加えて、ビデオにもありますが、シングルラインリーフィングシステムもこの特許、容易にしかもスムースに可能、メインセールにはスライダーにベアリング付きですからスムースなアップダウン、メインシートトラベラーは邪魔にならない後部設置ですが、シートはそこからリードされてコクピットにリードされていますので舵を持って容易に手が届く。直進性の良さは舵から手を離しても真っ直ぐ走り、普通こんな事はしませんが、セーリング中にその場で360度回転するのも容易。こんなヨットは他にはありません。2006年モデルからヤンマーセールドライブエンジンが標準になりました
 

 

 

 

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