第六十六話 いろんなヨット

世界を見渡してみますと、いろんなデザインのヨットがある。70,80フィートが次々に発表されるかと思えば、ドラゴンがあり、クラシック、小さなヨットも花盛り。見ていて、個性的で、各人が自分ができる最も面白い乗り方というのを自分のスタイルで楽しんでいる。さすが、ヨット先進国と思います。

日本もそろそろ、自分のスタイルを見つけて、自分の面白いセーリングを楽しんではいかがかなと思います。隣のヨットが50フィートあろうが、100フィートあろうが、自分がそれに乗って楽しいかどうかは別の問題ですから、自分ができる、自分のスタイルを見つけて頂きたいと思います。そうすると、日本にも世界のいろんなヨットが入ってくる。いろんなヨットが入ってきますと、そんな乗り方もあるのか、と新発見もあるでしょう。価値観がそれぞれ異なるのですから、社会性のある物ならいざ知らず、ヨットは極めてパーソナルな物ですから、個性そのまま発揮しても誰も困らない。

以前にも紹介しましたが、JS9000というヨットなんか、セルフタッキングのファーリングジブとでかいメインセールで、シングルハンド、バラスト比70%という驚異的な数値で、抜群な速さを持つ。
こんなのを欧米人は遊んでる。ドラゴンなんか、1、500艇ぐらいがアクティブに活動しているらしい。
みんなと同じというのは安心ですが、面白くは無い。ヨットを何と考えるかですが、お休みの時の気晴らし程度か、夢中になれるおもちゃか、何を体験したいかにもよる。でかいヨットも良いけれど、小さいヨットで自由自在に走り回ってくるのも良いもんです。おまけにメインテナンスも容易だし、全体を把握するのも簡単。でかいヨットとうのは、オーナーが自分で全部把握する事自体大変なんです。仕事引退してつきっきりなら可能ですが、たまに来て乗る程度では把握できない。ましてやメインテナンスなんか自分じゃ無理。それで、欧米ではちゃんとそういう人を雇っている。だから、いつもピカピカでいられる。そういう費用もかんがえなくちゃいけません。でかいヨットとはそういうもんです。でないと、維持できないんです。それが日本では、そういう事をおかまいなしに、予算があれば
少しでも大きくしようとする。小さくて高品質というのもあるけれど、そういう物より1フィートでもでかいヨットとなる。その後の運営を考えると、あまり賛同はできない。予算があるなら、少しサイズ落としてでも品質を求めた方が良いと思います。

それに、これからは、何でもつければ良いという事は無い。要らない物はつけない方が良い。何でもかんでもという時代は過ぎて、これからは、自分のスタイルで必要かどうかを考える次のステップにはいってきた。日本もこれからはそういう時代に移行していくと思います。冷蔵庫は要らないけれど音楽は絶対必要だと言う方もおられるでしょう。それで良いんだと思います。ジブファーラーを最近不要を言われる方がおられた。ジブは小さめにして、ハンクスで、下ろしてそのままバッグに入れるそれで良いという人もおられた。それで良いと思います。クルージングだからジブファーラーは当たり前と固定観念に囚われる必要は無い。シンプルならその分トラブルも無い。

多少乗り心地悪くたって、スピードを求めるクルージング派が居たって良い。ビュンビュン走るのが
好きな方はそうすれば良い。小さいヨットででかいのを追い抜いて走るのが良いという人も居る。
まあ、そういう方はクルージング派とは言わないのでしょうが、スポーツ派とでも呼びましょう。何と呼ぼうがどうでも良いんですが。とにかく、自分の好きな、面白いセーリングを見つけて、それで遊びまくって、大きなヨットを尻目にセーリングに出ましょう。その方がよっぽど面白いし、人生は楽しくなる。

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