第100話 中・大型艇の艤装

大きなサイズはセールも大きくなるのは当たり前。大きなメインセールを上げる時、ジブ
シートを引く時、ウィンチを使っても相当の腕力が必要な時があります。風が強い時は
なおさらです。

体力も腕力も自信があるなら問題は無い、でもこれからだんだん年とって、という方には
艤装を考えましょう。メインセールを上げる場合、特にフルバテンの場合はなおさらですが、
セールの自重に加えて、バテンがマスト側に押されて抵抗が増し、セールを上げるのに
よけい力が必要になります。セールを軽いものに換える方法はひとつの選択肢です。通常
のダクロンは重い。クルージング艇でもペンテックスというセールがあります。通常のダクロン
生地より約20〜25%ほど軽くなる。でも高価ですが。次に、ハーケンやフレデリクセンから
ベアリング付きのスライダーがあります。これだと抵抗はかなり軽減され、殆ど、セールの
自重のみとなります。さらに、というとメインセールのファーリングシステムですね。最近は
多くなってきました。マストファーリングとブームファーリングがありますが。お奨めはブーム
ファーリングです。マストファーリングはローチが無く、リーチがマイナスカーブしており、どう
してもパワーロスとなります。一方、ブームファーリングはフルバテンにでき、ローチもある。
そして、もし万一トラブルがあっても人の手が届くブームにあるのですから、何とかなります。

ジェノアは殆どがファーラー式でしょうから、上げる問題は無い。シートを引くウィンチのサイズ
を上げるか、最近は電動ウィンチも使われています。これは非常に楽です。何しろ、ボタンひとつ
でシートを引ける。或いは、セルフタッキングジブというのも良い考えだと思います。この場合は
アスペクト比の高いセールを使いたいですね。トップまでセールが届くやつです。でも、上りは
良いにしても、風から落とすとセールが外に出るだけでは無く、上に上がってくる。この場合は
予備のジブシートを通常のシートトラックに通しておけば、セルフタッキングのシートを使わずに、
通常のジブシートを使う。という事は3本のジブシートを使い分ける事になりますが、たいして
わずらわしい事では無いです。そして、ジェネカーをもっと有効活用してはどうでしょうか。

ジェネカーを袋状に入れたまま上げ、上げた後、袋をはずして展開する。二人で上げれるように
工夫すればセーリングの幅は実に広くなる。上りは結構面白いが帰りは退屈する場合がありま
すね。こういう時はジェネカーです。これを使えばスピードがグンと増して、面白い。どうやったら
二人で上げて、ジャイブして、降ろす事ができるか、工夫してみてください。


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