第114話 新しいライフスタイル
長い間仕事を続けてこられて、いざ引退となった時、さあこれからヨット三昧と
思うのですが、現実にはそうも行かないようです。一生懸命、仕事をされてきた
方が、そう簡単には頭を、いや心をシフトできるわけ無いのです。だから、何ら
かの形で仕事に係わる、社会にかかわる、かかわりたい。これが本当だと思い
ます。だから、引退後にヨット三昧なんてできないのです。
だからヨットはシンプルにして、ヨット三昧では無く、一部とされる事をお奨めし
たいと思います。これまで以上に家族とは深く係わり、地域社会とも深く係わ
る。或いは、量は減らしても仕事にある程度は係わって行く。そういう中で、
ヨットを充実させていく。忙しい方が充実するんです。スケジュールを組んで
暇を造って、そしてセーリングの醍醐味を短時間に集中して味わう。集中して
乗るから、一日中乗るなんてことは無いのです。午前中か午後の2,3時間
夏は夕方の涼しい時間帯。
現役だろうが、引退していようが、忙しい方にはこういうスタイルが一番です。
緊張と緩和と以前書いた事があります。人生もそのまま、一生は緊張と緩和
の連続、仕事も、遊びも、マクロ的に見ても、ミクロ的に見ても緊張と緩和
の連続です。でもこれが充実というものではないでしょうか。緩和だけなら、
こんなつまらん退屈なものは無い。例え遊びであっても、緩和だけなら、すぐ
に飽きてしまう。
仕事と遊びという緊張と緩和、そして仕事の中にも、遊びの中にもそれぞれ
緊張と緩和がある。引退後は家族、地域社会その他の係わりを持ちながら
ヨットを楽しむ。1週間に2、3回ぐらいはマリーナに来て、シンプルなヨット
をシンプルに乗りこなす。こういうライフスタイルは如何でしょうか?
外洋? そんなものは他人に任せておけばいい。日本一周? そんな暇
は無い。それでも充実したヨットライフがあるのです。乗り方を考え直して
シンプルに、ヨット本来のエッセンスを体験しましょう。
次へ 目次へ