第12話 忙しい方にはヨットが最適


忙しいのでヨットにのんびりのんびり乗ってられない。それでボートを買うんですね。ちょっとこれは考え
直した方が良いです。はっきり言って間違っています。

ボートを手段として使い、釣りなどをするという方には反対しません。その選択は正しいでしょう。しかし、
仕事が忙しいのでボート、釣りをしないのでサロンクルーザータイプを選ぶという方は多いのですが、飽き
る人が多いのです。何故でしょうか?

ボートを購入した当初は面白くてたまらない。爽快感を満喫できます。そのうち、走りまわってばかりでは
面白く無いので、どこかへ行きたくなります。ボートはスピードが速いので、目的地にすぐ到着、上陸して
食事して帰ってくる。ここまでは良いのです。でも、同じ所ばかりでは飽きてくるので、あっち行ったり、こっち
行ったり、そのうち近場では行くところがなくなりますね。同じ所ばかり同じパターンでは飽きます。かといって
遠くまで行く暇は無い。仕事が忙しいのですから。 それで、そのうち飽きてくるのです。結果、動かない。こう
いうパターンは実に多いのです。

一方、ヨットの場合どうでしょうか。確かに、ボートに比べてスピードが遅くのんびりしていますね。でも、ボート
と根本的に違う事があります。それはボートは目的地が必要であり、ヨットでは目的地が必ずしも必要では無い
という事です。ボートは目的地に急ぎ、ヨットはクルージングの過程を楽しむ事ができるからです。という事は
目的地が無くても、近場をクルージングするだけでも楽しめるのがヨットなのです。その日によって、波や風は
異なり、どういう走りをするかを楽しめるのです。同じコースを何度も走っても面白いのです。

だから、忙しい方でもヨットならば近場のデイセーリングを充分堪能できるわけです。1日に2〜3時間でも、
充分堪能できます。その為には気軽な装備を心がける事でしょう。気軽に出せる事が必要です。それさえ
気をつけておけば、ヨットは忙しい方にこそお奨めです。そして暇ができた時は遠くへ遠くへ、ボートよりもっと
遠くへ行けるのです。お金もあまりかからず、そして何と言っても、ボートのエンジンの騒音と振動とは違い、
ヨットは静かで、安全で、会話が楽しめて、そしてゆったりもスリリングな走りもできる、奥の深い遊びなのです。
だから飽きません。

では何故、動かないヨットが多いのか? これは別の問題です。クルーがいないと動かせないような大き過ぎる
ヨットを購入してしまった。このパターンは結構多いのではないでしょうか。面倒くさい装備をたくさんつけて、
考えただけでもいやになる。或いは、週末さえもマリーナに来れない程忙しくなってしまった。ここまで来ると
どうしようもないですね。でも、シンプルにする事で解決できるかもしれません。1日は無理でも、午前中だけ、
午後の数時間、或いはイブニングクルージング、ほんの短時間でも良いのです。その為に気軽さをヨットに
導入する事をお奨めします。

係船ロープを蜘蛛の巣のように張り巡らしているのも考え物です。安全の為というのは解りますが、もっと簡単
にすぐ出航できる程度にした方が良くないでしょうか。出る時、ロープをあっちこっちはずして、そして帰ってきて
また同じようにする。これも想像しただけで面倒くさくなりませんか?デッキに大きなカバー、これも気持ちはわ
かりますが、はずして、また付ける。面倒ですね。できるだけ簡単に出て、帰ってきてもすぐに終わる。こうして
おけば気軽になりませんか?装備もそうです。これは次回に......


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