第18話 夫婦でクルージング

シングルハンドを基本にする事は大切です。それはこれまで何度も強調してきた事ですが、
もし、奥様がヨットを好きなら、これは最高のコンビネーションです。夫婦円満にも一役買って
くれます。子供はだいたいあてにならないですね。すぐにどこかに行ってしまいます。ほんの、
たまにでしょう、彼らがついてくるのは。それより奥様は最高のクルーになり得ます。是非、
ひきずり込んでクルーに育てましょう。

二人いれば、想像以上に大きな艇でも、装備を考慮すれば操船可能です。可能というより、楽
にできます。かつては男の世界だったヨットも、女の力はここにも発揮されます。舵を持ってもら
えば、それだけで他の作業ができますから、ちょっと慣れてくれば二人のコンビネーションが非
常にうまく作用し、大型艇でもかなり縦横無尽に走りまわれるのです。実際、40フィートを乗り
こなしてあるご夫婦を知っていますが、実に楽しんである事を強調したいと思います。さらに、
装備さえ工夫すれば50フィートオーバーのヨットでもご夫婦で乗られている例も知っています。
何も、ここで大型艇を強調するつもりは無いのですが、充分可能である事を知ってもらいたいの
です。要は乗れるかどうかでは無く、乗りたいかどうかの意思の問題であり、その為にはどうし
たら良いかです。

ここにも気軽さを強調したいと思います。気軽に夫婦で楽しみたいと思えば、そういうふうにすれ
ば良いのです。小さくても、大きくても可能ですし、無理せず、楽しむ方法はいくらでもあります。
北欧では夫婦二人で気軽な小型艇でのイブニングクルージングがはやっているそうです。週末
に限る必要も無く、あいた時間に、ワインを1本持って出かけるそうです。これが一種のおしゃれな
ステータスのようです。ヨットというとあらゆる経験と技術を持ち、老練なヨットマンが幅をきかせ、
あらゆる事に熟知しなければならない、などそんな必要がどこにあるでしょう。

ヨットは楽しむ事です。自分のやり方で楽しむ事です。それで充分ではないですか。それで、ローカ
ルのミニヨットレースなんか、ダブルハンドで参加しようものなら、夫婦円満は保証付きのようなもの
です。

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