第23話 これからヨットを始めようという方へ 2

乗りこなすというのは、楽しむ為には大切で、オーナーによっては乗せてもらっているという感じの方
もおられます。サイズが大き過ぎてもてあますという感じでしょうか。そうすると不安的な要素が大きく
なり、充分楽しめない、残念な結果になる場合がある。残念な結果というのは、ヨットの本当の楽しみ
を知る前にヨットが動かなくなるという事です。最初は少し物足りないと感じるぐらいの方が先々には
良い結果になることもあります。いずれ将来は皆さん買い換えたいと思うようになります。最初のヨット
で一生乗っているという人見た事がありません。ヨットは長く続けられるものです。何十年です。

まずはエンジンをかけて、エンジンだけで自分の海域を走りまわってください。自分のヨットに慣れること
舵取りに慣れる事です。これは誰でもすぐに慣れます。また、同時に海域に慣れる事です。海から陸を
見た風景は違います。海図を1枚買って、実際の海と比べ、どこが浅いとか、島の位置とかに慣れる
のです。また、漁船などが走っていますので、他船への注意にも慣れて下さい。向こうを先に行かせるか
自分が先か?相手の船はどっちに向かっているか?これもすぐに慣れてきます。どんな時も自分からよ
けるという事をお奨めします。こちらが優先と思ってもです。安全第一。

自分のヨットのどこに何があるかキャビンのクッションなどをとってくまなく調べましょう。燃料タンク、清水
タンクの位置、容量、配管がどこをどういうふうに通り、どこにポンプがあるか?船底には海水をくみ上げ
たり、逆に排水する為のバルブがありますから、どこに何の為のバルブがあるのか?デッキ上の装備も
同じです。どのロープが何の役目をして、どこをどう通っているのか、チェックしておいてください。難しい
事は何もありません。見れば解ります。自分のヨットを知る事は大切です。そして全てのヨットが、大きな
ヨットでも基本的には同じです。

風があまり無い日にセールを上げてみましょう。風上に船を向けて、メインセールを上げます。そして、行き
たい方角に舵を切ります。メインセールが風でバタバタしない程度にメインシートを引く、又は出す。これだけ
でヨットは走ります。簡単でしょう。もう少し余裕が出てきたら、ジブセールも上げます。理屈は同じです。
ただ、動けば良いというだけなら簡単なのです。ただ、他のヨットより遅い。でも楽しめます。セールを上げた
らまず真っ直ぐ走る練習です。以外と真っ直ぐ走れないものです。難しいわけではありません。前方の目標
物を決めて、それに向かって真っ直ぐ走るのです。ヨットは傾斜して走ります。最初は少し怖いと感じるかも
しれませんが、ヨットは傾斜(ヒール)して走るものです。船底には重たいキールがありますから、ひっくり返る
事はありません。安全です。

どうです?簡単でしょう?これだけで楽しいセーリングができます。難しい理屈は解らなくても楽しめます。
エンジン音も無く、静かで、波と風の音だけ、その中をスーっと走るヨットはこれまで味わった事の無い世界
を見せてくれます。さて、これだけで終わってはなりません。

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