第4話 プラスとマイナス

物事は全てプラスでもなければマイナスでも無いようです。そのものは常に中立のようです。
そしてその物を見る側の視点がプラスと見るかマイナスと見るか、この判断でどうにでもなる
私の判断は、過去ににおいてどんな経験を持ってきたかによって、プラスとマイナスの見方
が変化します。そして、私の過去の選択は、数多くの選択肢のたったひとつしか選んでこな
かったわけですから、誰でも同時にふたつを選択する事はできないわけですから、私が経験
してきた以外の数多くは、私の経験とはならなかった。つまり、過去に別の選択をしていれば
プラスかマイナスの判断は違ってくるのではないでしょうか。

つまり、自分の経験から判断すれば、私の未来は過去から現在、そして未来へと一直線に結
ぶ事ができます。自分のパターン以外にはならないと思うのです。新しい何かをする時、これ
までの過去のパターン、経験は忘れた方が良いように思います。経験は貴重ですが、これも
反面、足枷にもなる。未来の可能性はずいぶんと狭い物になってしまう。

テレビドラマや小説の世界において、記憶喪失という題材がありますが、考えようによっては
これは新しい未来を開くことになるのではないでしょうか。過去の行動パターンはこれからの
選択に何ら影響を与えないことになります。そうすると、過去からは考えられない選択もできる
事になるでしょう。こういう意味では、無限の可能性があると言えるのかもしれません。ただ、
反面、自分が何者であるかが解らなくなります。これは不安でもあります。それに記憶喪失者
でも無いのですから、過去は無意識のうちに自分をコントロールしてしまう。

そこで、意識して、自分の選択を観察してみるという手はどうでしょうか。そうすると、新しい選
択ができるかもしれません。取っておきたい過去のパターンと捨てたい過去のパターン、これら
を常に意識してみるというのは難しいことでしょうか。

環境は人を作るといいます。しかし、一方で、環境が人を作るのでは無く、環境は人を明らかに
するという言葉を聞いたことがあります。全く同じ環境だからといって、同じ人間を作るわけでは
無いようです。人によって反応のパターンは異なる。環境はその人を表すというのは真実だと
思います。今の環境をプラスと見るか、マイナスと見るかは過去の経験によりますが、この見方
によっては未来は大きく変わるのではないでしょうか。

人生はどれだけ多くの経験を味わってきたかではないかと思うのです。過去、現在、未来が一
直線に繋がると、それだけ経験のパターンは同じになる。過去は経験を通して、知識として蓄積
し、現在は過去の延長では無く、その場で選択する。すると未来はもっとバラエティーに富むの
ではないでしょうか。

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