第32話 船外機

ヨットのエンジンにはインボードディーゼルがほしいと言われる方が多いです。その理由も良くわかります。
波がある時はプロペラ部分が浮き、空中で回転する時があるんですね。推進力が瞬間的にそがれます。
でも、海外では小さなヨットには船外機で充分という考え方もあるのです。エンジンはどうせマリーナの
出入港に使う程度、一旦外に出れば、エンジンは不要なのですから。それに価格が何と言っても安くあがる。
それに、万一、ロープなどをプロペラに巻いても、対処が楽です。また、インボードエンジンの場合はプロペラ
シャフトが船底を貫通している為、スタンチューブの調整が必要で、常に海水の浸入があり、調整が悪いと
船内に海水が浸入してきます。これは見た目にわずかでも、ほんの数日でかなりの量になる場合があり、
オーナーの知らない間に、大量となり、ヨットが沈みかけるなんて事も時々あるんです。ヨットはそう毎日乗る
わけではありませんので、こういう事になる。これは結構大切な事です。

船外機の場合はスタンチューブそのものが無いので、こういう事故は全く無いので安心です。それにマストで
すが、デッキを貫通して、キールに立ててあるヨットとデッキ上に立ててあるオンデッキマストがあります。オン
デッキでしたら、船内には全く水の浸入が無い。完全ドライです。デッキ貫通のマストの場合はマストの中を
雨水が浸入してきますが、わずかなものです。心配には及びません。

こういう事で、船外機のメリットも考えてはいかがでしょうか。メインテナンスもし易いですし、何と言っても価格
がインボードエンジンに比べて安い。これはあり難い。万一の載せ変えだって楽々ではありませんか。

船外機のデメリットをもうひとつ上げておきましょう。それはマリーナに帰って来た時、船外機を水面から浮かせる
為にプロペラ側を上げておかなければなりません。藤壺などから守る為ですが、これが面倒だと言う方。
海水に浸かっているいる部分に船底塗料を塗っておいたらいかがでしょうか。実は実験したわけでは無いので
断言できるわけでは無いのですが、考えてみればインボードエンジンのセールドライブだと考えれば同じなのでは
ないかと思うのですが、セールドライブは当然常に海水に浸かっています。だから船底塗装を塗装します。これと
同じように考えれば、船外機も船底塗装をして、いちいち上げない。

ノルディックフォーク25はインボードと船外機がありますが、船外機の場合は、ロープとブロックを使って、コクピット
から簡単にロープを引くだけでこれができるしかけがあるんです。これだと楽です。船外機を見なおしてはいかが
でしょうか。


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