第38話 ヨットの選択

間違いだらけの車選びという本が出ていますね。実際に読んだ事は無いのですが、ヨットには
こういう参考になるものがありませんね。誰が書いても主観的になるのは間違い無い。良いか
悪いかは相対的ですから。何と比べるかによって評価は変わってきます。少なくとも、そういう
意識で見るべきではないでしょうか。                                  

それでも一般的には良い悪い(あまり悪いとは言いませんが)というのはあります。評価が高い
低いという表現の方が適していますね。本なんか読んでも、たいてい皆良い船となります。評価
基準はいろいろあると思いますが、まず価格です。同じサイズでも装備が同じ条件で比較しなけ
れば、明確には解りません。標準仕様価格というだけでは比較できない。             

ヨットの建造には造船所のポリシーが反映されています。どういうマーケットを狙っているかです。
大きな会社で大量生産する造船所はコストを重視します。いかにコストを下げるか、そして品質と
のバランスをどこに取るかです。そしていかに売れる度合いを高めるかがポイントです。

価格が安く、品質が良く、性能も良い。これら全てが相対的である事。何と比較してそうなのか
という事を考える必要があると思います。この三つが全て実現したら、殆どの造船所はかない
ません。でも、これは実現できないのです。だから、造船所はこの三つの内、どれを最も強調
するかを考えます。そこが造船所のコンセプトとなるわけです。

検討するヨットを個別に見る前に、全モデルを見て、造船所のコンセプトを掴むのが先決では
ないでしょうか。各造船所がどこを最も強調しているかです。そして、自分が最も重要視したい
所はどこかです。抽象的な言い方で申し訳ないですが。


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