第四話 あるオーナーを紹介しましょう
小牧さんは現在ある高校の先生です。もうすぐ引退を控えて考えました 俺の引退後は何をしようか。
小牧さん、どうしてヨット始めようなんて思いついたんですか?
どうしてかと聞かれて、これという理由は無いけど、ただ、テレビなんか 見てて漠然と良いなという記憶があってね、それで、引退後の事を考え ていたら、ふっと頭に浮かんできて、できるかな?と思ったわけよ。
それで、近くのマリーナへ来て、最初は皆を遠慮がちに眺めていただけ なんだけど、ちょっと勇気を振り絞ってヨットの修理をやっていた人に聞 いてみたわけ。そしてら、気安くある同年代ぐらいのオーナーで、いつも一人でクルージングしている人を紹介 してもらったというわけです。そのオーナーに数回載せてもらって、これは是非自分でやりたい、そう思いまし たね。これがきっかけです。
新しい世界の始まりです。
実際、始めてみてどうです?
ヨットがどうと言うより、正直言うと、自分でこういう島を回ってクルージングに来れた、これだけでまず感激したね。確かに、ヨットを乗りこなすには練習が必要だけど、それも楽しいし、家内も結構喜んでくれてるんですよ。
これで引退後にボケる事も無いでしょうし、毎日家に居られても困るだろうし。それに、どう言うわけか、前より家の事をするようになったんで、家内も喜んでますよ。
ヨット自体の操船はどうです?
まあ、これはまだまだ練習が必要でね、けど、結構感覚的に慣れてきた感じがあるんですよ。少し。
慣れてきたら、ちょっと遠くへ、のんびりと、時間を気にせずにクルージングに行きたいね。好きな所には好きなだけ居て、好きなように、まさしく風の吹くまま、気の向くままというやつですよ。
全く素人の小牧さん。それでも充分楽しんでおられます。天候の悪い時は、キャビンでビール飲んで、ゆったり、ゆら〜り。
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