第67話 リグの話
マストのリグには一般的に使われているのはトップリグとフラクショナル。トップリグは
フォアステーがマストトップから出ています。つまりジブセールが大きくなる。フラクショ
ナルリグはトップから少し下からフォアステーが出ています。つまり、小さなジブに大き
なメインという組み合わせです。マストの位置もやや前側ですね。これはマストコントロ
ールという観点からレーシングヨットはフラクショナルを採用しています。マストトップを
曲げる事ができますね。セールのドラフトを容易にコントロールできます。
昔のレーサーはバックステーの替わりにランニングバックステーを付けて、フォアステーの
サギングをコントロールしていました。でも最近ではレーサーでもランニングバックステーを
嫌い、スプレッダー(マストの横に張り出している)を後方にスウィングさせて、これがバック
ステーの役目もします。レーサーも楽に乗りたいのでしょうね。
通常のクルージング艇もこういうリグが多いです。特にヨーロッパ系のヨットに多いような気が
します。アメリカ系はクルージング艇はトップリグが多いような気がします。どちらが良いかと
いう問題は使い方によると思うのですが、デイセーラータイプにはフラクショナルで何度も言っ
ています通り、小さなジブに大きなメイン、それにジェネカーも小さめにできますので、これが
使い易いのではないかと思います。
あるデザイナーによりますと外洋を走るようなヨットの場合、トップリグかフラクショナルの場合
はランニングバックステーを設置する事を薦めていました。スウィングスプレッダーによって通常
は不要でも外洋の場合はやはりランナー(ランニングバックステー)を付けた方が安全だそうです。
トップリグの場合でも外洋艇で高いマストのヨットにはランナーが付いてますね。外洋の場合は
そうそうタックを繰り返すわけでは無いので、ランナーもそんなに煩わしいものでは無いでしょう。
補助的に使うわけです。今ではランナー付きのレーサーはもう売れなくなってしまいました。
次へ 目次へ