第85話 成功例、失敗例
ある定年を間近に控えた方から御相談を受けました。息子も娘も就職し、夫婦ふたりだけ、
子供にお金がかからなくなったので、ヨットを始めたいという事でした。奥さんも非常に行動
派で、ヨットに対しても積極的でした。それで30フィートのヨットを購入され、非常に良く乗ら
れて楽しまれています。
一方、同じ30フィートを購入された方にヨットを売りたいと相談を受けました。この方もこのヨット
が初めてで、違うのは奥さんが行動派ではなかった。めったにヨットに来る事もなかったという
事でした。それで一人では出せなくて、もうやめようという事でした。サイズを小さくする事を
お奨めしましたが、一旦は売ってしまいたいという意思で、その後もまた始められる様子はあり
ません。
後者のケースは非常に残念な結果となりました。せっかく夢をもって始めたものの、良い部分は
全く経験せずに終わったのです。ヨットは面白く無いもので終わっています。こういう事を避ける
為にも、良く検討する必要があります。
見栄で大きなヨットに乗るのも良いでしょう。動かさなくても別荘代わりでもいいでしょう。自由なの
ですから、でも、セーリングの楽しみを御忘れ無きよう。
セーリングを楽しんである方は益々面白くなり、クルージング一辺倒だった方が、本格的ではもちろん
ありませんが、遊びでレースに参加されるようになったり、仲間が増えたり、それにつれて知識も
増え、腕も上がって、さらに楽しんでおられます。別にレースを薦めるわけではありませんが、より
充実してくるという事実です。ですから、良く動くか、めったに動かないか、極端にわかれてしまいます。
そして、動かないヨットの方が圧倒的に多いという事実は誠に残念。
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