第十六話 主流派
| 日本において、どんなヨットでどんな使い方が主流なんでしようか？ そこが充実していけば、ほっといても、全体が広がっていくだろうと思います。前にも散々書きましたが、使われないヨットの多い事。これを主流派とすると、未来はどうか、となりますので、使われている中での主流は？ 見渡せばいわゆるクルージング艇と称するヨットが多い。だからクルージングが主流？ と思えますが、でも、実際はクルージング（旅）に出ているヨットは、その頻度から言っても少ないのではなかろうか？では、何が多いのか？ それはデイセーリングではないかと思います。 考えてみれば、最もお手軽にできる使い方ですから、当たり前と言えば当たり前かな。ヨットが大きかろうが小さかろうが、それは兎も角、より多くの方々が、デイセーリングを楽しむというのは、最も行動し易いですから、そこに何とか充実感を持って頂ければ、ヨット界はもっと発展するのではなかろうか？ デイセーリングを楽しむには、ヨットは取り敢えず何でも良いと思います。まずは、頻繁に、皆さんがデイセーリングを楽しみたいと思うようになる事かと思います。セーリングはスポーツだと言いましたが、重いヨットでスポーツしても構わないし、まずは、ピクニックセーリングから入って、少し、セーリングの何たるかを気にして、ちょっとでも、セーリングから面白さを引き出してしまえば、その面白さに惹かれた方は、もう少しとなるかもしれません。 そういう方が増えれば増える程に、ヨット界は活性化するかもしれません。日曜日に、天候が良く、風も良い時、少なくとも、マリーナの半分近くのヨットが、せめて３分の１のヨットが海に出ている光景が当たり前になると良いと思いますし、同時に、出てはいないが、マリーナにうじゃうじゃ人が集まっている予備軍の人達がたくさん居れば良いかな？ ピクニックセーリングは誰でもできる。考えてみたら、ピクニックだって、海に出れば気持ち良いし、陸上とは全然違う世界ですから、シングルでも、家族でも、中間でも、彼女又は彼氏でも誘って、できるだけ頻繁に出る事を考えていかがでしょうか？ たいそうな準備は何も要らない。それも丸一日とか考えず、２〜３時間が手頃ではないでしょうか？ そうしたら、各人、ペットボトル１本づつの飲み物でも十分であります。ご馳走は海とそのフィーリングでありますから。 仲間を招待して、たいそうなご馳走なんか考えるもんですから、滅多にはできない事になります。だから簡単に、気軽にがキーワード、その代わりできるだけ回数多くです。 頻繁にピクニックするようになりますと、そのうち、ちょっとセーリングが良い感じで走る時が来ます。その時、そこに面白さを感じたなら、そこをもう少し突っ込んでみる。ここからスポーツが始まると思います。ちょっと風が強すぎるなら、早めにリーフしてしまう。もっとなら、早々に引き上げても良い。無理にやると、もう二度と乗りたくないと言われるかもしれません。まあ、ヨットは天候次第という処がありますので、時の運という面もあります。しかし、良い事もあれば悪い事もあるのは世の常です。できるだけ良い季節と良い天候を選んで、仲間を誘って、ピクニックを楽しんで頂きたいと思います。 セーリングはスポーツだとは言っても、それが主流になるのはちょっと無理があるかもしれません。程度問題はありますが。それで、ピクニックセーリングから入って、そこからどう発展していくか？ 誰でも頻繁になると、そこから発展していくもんだと思います。ですから、入口はピクニックで。 ピクニックはひとりより、何人か居た方が楽しい。だから、あっちこっちに声かけて誘います。１回に誰かひとりで良い。そうしたら、別の機会にはまた別な方を誘えます。 そうこうしながら、そのうち自分ひとりという事があります。その時どうしようか？そういう時こそ、ピクニックからちょっと脱して、セーリングをちょっと真剣に考えてみたい。これはチャンスでもありますね。そうやって、ピクニックセーリングとスポーツセーリングを使い分けていきます。 これが日本の主流の使い方にならないかな〜と思います。ピクニックから脱していく人には、レースに行く人も居るだろうし、クルージングに行く人も居るし、スポーツセーリングに行く人も居る。ピクニックセーリングは全ての入口、出発点になると思います。これを存分に遊んでこそ、次の発展があるのかもしれません。だから、最初はピクニックを十分意識して、ピクニックを楽しく演出する事を考える。ピクニックを軽視しないで楽しみましょう。最も手軽で、最も頻度高くできるヨット遊びです。そこが楽しくできれば、きっとその先も見えてくる。 |