第二十六話 何故、デイセーラー?

セーリングを、特にシングル想定で遊ぶなら、デイセーラーは最適です。何故なら、デイセーラーはそれを目的にデザインされ、建造されているからです。

以下の写真はアレリオン28のコクピットです。
  
  
実際に試乗して頂ければ最もご理解いただけるとは思いますが、ここでは、順にご説明致します。
まず、コクピットに座って、ティラーを片手で握れば、全てのコントロールにもう片手が届きます。
しかも、重要な事は殆どコントロールにウィンチを必要としない事です。

 

左から                          左から
・ファーリングドラムライン(カムクリート)      ・カニンガム(ストッパー)
・ジブセールのアウトホール(カムクリート)     ・シングルラインリーフ(ストッパー)
・ジブハリヤード(ストッパー)             ・スピンハリヤード(ストッパー)
・メインハリヤード(ストッパー)            ・ジブシート(スイブル式カムクリート)
・ブームバング(ストッパー)

メインハリヤードでセールを上げますが、スライダーの潤滑さえちゃんとしておけば、殆どウィンチを使わずに、最後の処だけウィンチでテンションをかけるぐらいで上げる事ができます。

  ティラーを片手に、メインシートはすぐ目の前
  のラチェットブロックとカムクリートにリード
  されており、片手で操作できます。









  ジブシートは右舷のスイブル式カムクリート
  シートを上に上げてリリース、下げるとロック
  されます。そして、左右に首を振るので、どの
  位置からでも操作可能です。
  *現在はこのスイブル式カムクリートを左舷
   側にも設置し、左舷、右舷、両方から、より
   操作がし易くなっています。




 
ジブシートのカムクリートは左右に首振るスイブル式。

  

後部側を見ますと、トラベラーとそのコントロール、中央の赤いラインがバックステーアジャスター
全てに手が届きます。

つまり、メインを上げ、ジブを展開しますと、後は、ティラーを片手に、全てのコントロールをウィンチ無しで操作する事ができます。この事は、セーリングしながら、ティラーに伝わる感触を感じながら、各部の操作を行い、同時にティラーにもその変化を感じながら走らせる事ができるというものです。この事は、簡単に操作自体はできますし、そして如何様にも調整ができるというものです。

ここに上げたのはアレリオン28ですが、基本的にデイセーラーは、このようにシングルでセーリングを遊ぶ事を基本にしています。そして、モデルによって、造船所によって、スピード等の性能を変えてきています。

さて、これらはシングルハンド仕様という前提にデザインされた艤装です。この事は重要な要件だとは思いますが、しかし、これだけでは不十分です。さらに必要な事、望みたい事は、実際のセーリングにおいて、どれだけのフィーリングが得られるのかです。

これについては、実際に試乗して頂きたいのですが、しかし、少なくとも船体の硬さから来る滑らかさを感じますし、加速感の面白さも感じます。その上で、操作性に優れている事は面白さの基本がそこにあり、後は、どこまで自分自身が操作を楽しむ気持ちがあるかではないかと思います。

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