第二十七話 操作性の重要さ
| 大抵のヨットは、自分の他、ひとり経験のあるクルーが居てくれたら、何とかはなるもんです。その艤装がどういう配置であれ、ひとりが舵を握り、もうひとりがあっちこっち動きながらでも操作は可能です。それはそれでも良いと思います。レースでも無い限り。 もし、シングルの場合でしたら、オートパイロットを使い、自分がクルーになれば、これも、それなりに対応する事ができます。どうにでもなると言えばその通りだと思います。 しかし、ここでは、シングルを強調したいと思います。シングルハンド操作で、オーパイをできるだけ使わずにセーリングを自由自在に楽しむという事を考えます。 シングルはクルーが居ないからとか、煩わしいからとか、クルーの都合に合わせなければならないからとか、そういう理由も確かにありますが、もっと強調したい事は、シングルでやれると、それこそ自由自在になれるからです。 時に気分によって、真剣に走らせたい事もあるし、のんびりという事もあります。強風でも出してみたい事もあるだろうし、いつ出して、いつ帰るかも自由です。誰に気兼ねする事もありません。それに、未経験のゲストを招待しても、経験者を招待した時も、何でも来いであります。つまり、あらゆる状況に、自由自在に対応できるわけです。 さらに、セーリングを学んでいくにあたって、疑問に思う事、こうしてみたいと思う事、いろいろ出てくると思いますが、それも自由であります。そして、自分が操作した瞬間の感触も味わう事ができる。これらはセーリングを自由自在に楽しむ事ができる最高の方法だろうと思います。 唯一できないのは、チームワークのセーリングです。これは、時に、誰かを乗せて一緒に走れば可能になりますが、基本的日常のセーリングには無いというだけです。 まあ、ひとりでセーリングなんかしたくないという方もおられるかもしれません。しかし、敢えて、シングルをお勧めするのは、セーリングは、上達した方がより面白くなるという事です。それには、我侭ができるシングルが最高のシチュエーションではないかと思います。自分自身のセーリングを自由に求める事ができるからです。そしてシングルができるなら、何だってできる。あらゆる状況に対応する事ができる。 セーリングを楽しむに、何もそんなに上手くならなくても楽しむ事は可能です。しかし、いつも言いますが、例えば、１０年間をどう楽しんでいくかという事を考えた場合、やはり上手くなった方が面白いと思います。１０年をかけて、上達していく。これがセーリングの面白さだろうと思います。上達しようとするから、学びがあり、発見があり、いろんな事を味わえる。たくさんの事を味わう事こそが、面白さだろうと思う次第です。だから、それを実行するに最も良い方法はシングルハンドだろうと思うわけです。 常にシングルである必要はありません。いつだって、誰かを誘う事もできます。でも、基本はシングルが良いと思います。ピクニックだって、デートだって楽しめるし、誰かを誘ってレースに参加する事も可能です。でも、基本をシングルに置けば、セーリングは自由自在なのです。そして、こういうシングルを可能にするのが、やっぱり操作性ですね。これがやり易いと、よりセーリングを楽しむ事ができると思います。 |