第五十話 デイセーリング〜クルージング

オーナー層にも幅があります。セーリング一辺倒で良いという方もおられるし、たまにはクルージングもと言われる方もおられます。セーリング主体でシングルなら、是非、デイセーラー、もし、クルージングもと考えるのなら、パフォーマンスクルーザーをと御勧めしてきました。しかし、これにはクルーがやっぱり必要になる。クルーはゲストとは違います。セーリングができる相棒です。

ところが、もうひとつのアプローチとして、デイセーラー側からクルージング要素を取り入れてきた。
シングルハンドであり、スリムな幅、フリーボードも相変わらず低い。でも、全長を長くして、その分キャビンが確保できる。全長が長くなれば、天井も上がる。何で、それがデイセーラーなんだ?
と、当初は疑問に思わないでも無かったわけですが、今から考えると、それはデイセーラーからのクルージングへのアプローチであったわけです。

アレリオンヨットだって41フィート迄あります。デイセーリング主体なら、30フィード前後で十分面白い。それ以上長いデイセーラーは、やっぱりデイセーリング+クルージングです。
さらに、ハーバー30プラスというヨットがアメリカで、昨年誕生し、今年から本格的に建造し始めました。このハーバーヨットはデイセーラーなんです。ところが、そこにプラスという名前をつけ、その意味はクルージング的要素を加えたわけです。

   このハーバー30プラスの仕様を見ますと
   セルフタッキングジブ+ジブブーム、排水
   量は3、380KG、バラスト1、490KG
   バラスト比は44%です。

   そして、セール面積/排水量比は21.9
   ありますから、結構スイスイ走るでしょう。
   セーリングを遊ぶには十分ではないかと
   思います。もちろん、シングル仕様です。
 
   キャビンはご覧の通り、真っ直ぐ立てる
   天井の高さがあります。ただ、幅は3.0
   2mですから、一般クルージング艇から
   比べれば、細身かと思います。





考えてみたら、昔のヨットはそんなにでかくなかった。フリーボードも低かった。でも、天井は真っ直ぐ立って歩ける高さを確保していました。そんな30フィートをシングルハンド仕様にして、帆走性能を高めたと考えて良いかと思います。

これまでのクルージングはキャビンが主で、セーリングは従だったと思います。だからあんなにでかくなってしまった。これに対し、デイセーラーのアプローチは、それを逆転させました。

セーリングを基本にして、どれだけのキャビンを確保するかは、どれだけのクルージングをするかになると思います。デイセーラーからのアプローチは、シングルと帆走性能を確保して、プラスどれだけのキャビンをプラスしていくかになってきました。

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