第十話 セーリングとキャビン
| ヨットにはセールとキャビンの両方があります。どっちに重きを置くかはオーナー次第です。もちろん、片方しか使わないという事は無いでしょう。でも、どちらを優先して考えるかです。 セーリングを優先して、セーリングの妙を楽しむとしたら、キャビンが大きいより、小さ目で重心が低く、軽めの排水量の方が良い。でも、キャビンがでかくてもセーリングはできます。違うのはセーリング性能とそこから感じるフィーリングの違いになっていくと思います。どちらを選択するかは、オーナーの使い方次第、考え方次第になります。 上質のセーリングを求めるなら、セーリング優先になるし、より快適なキャビンライフを求めるなら、でっかいキャビンになります。 一般クルージング艇は、昨今、非常にでかいキャビンになってきました。快適キャビンライフです。ですから、セーリングするも、セーリングにいろんな事を求めるよりも、キャビンでの快適性を楽しむ事に合ってます。一方、デイセーラーは、セーリングを優先し、快適キャビンというより、セーリングにより多くを求めます。セーリングにおける快適性です。 どっちが良いとか言うわけではありません。ただ、使い方、求めるものが違うというだけです。それで、私としては、セーリング優先を御勧めしているだけです。キャビンのでかいヨットでもセーリングはできます。しかし、違う質のセーリングになります。何故違うのか？ デイセーラーというヨットに共通なのは、軽めの排水量である事。しかし、船体は強固に造られますから、波に負けない強さのせいで、セーリングに滑らかさを感じます。それに、シングルハンド操作ができて、重心は低く、まさしく、セーリングの為に造られています。だから、セーリングの質が違います。 それで、一般クルージング艇ですと、でかいキャビンが売りですから、そのせっかくのキャビンを快適に過ごす事が目的です。旅の途中とか、或は、別荘ライフとか、そういう事の楽しみがあります。 もちろん、デイセーラーだってキャビンがありますか寝泊りぐらいはできます。しかし、クルージング艇程の快適性は無い。どっちを優先しているかの違いです。 既にご存知でしょうが、私としては、圧倒的にセーリングの方を支持しています。私見ですが、キャビンを使わない事も無いが、セーリングを犠牲にしてまで、そこまでキャビンで過ごす事は無い。また、クルージングに行って、船内泊をするなら、しかも何泊も、何人も、となると、大きなキャビンがあった方が良い。しかし、ホテルに泊まるという方法もある。第一、クルージングに殆ど興味がありません。やっても、一泊か二泊程度で充分だと個人的には思っています。 という事で、セーリングを深く堪能できる。そっちの方に面白さを感じています。一日に２〜３時間の中身の濃いセーリングを堪能し、セーリングに上手くなりたい。上手くなって、自由自在感を得たい。そっちの方が強いわけです。だから、キャビンは二の次で良い。セーリングさえ面白ければ、他の事、ショートクルージングやピクニックセーリング等、何でも気楽に遊べます。狭いキャビンに泊まる事だって、たまにはできる。楽しみ方の違い、価値観の違いです。 デイセーラーで唯一したくない事はロングのクルージングです。興味はありませんが。もし、するとしたら、どなたかのでっかいヨットに同乗させて頂くかです。ロングはでかい方が楽ですから。私にとって、ロングのクルージングはより快適な旅を求めます。それより、セーリングに上手くなりたい。そのフィーリングを味わいたいという気持ちの方が優先です。 |