第八十八話 使用頻度の高いデイセーリング
| デイセーリングの使用頻度が高くなるのは、それが目の前の海域で短い時間でも楽しめるからです。ですから、気軽ににしょっちゅうやれる事になります。それを目指したのがデイセーラーです。 年に１回の遠くより、しょっちゅう乗り回す事ができる。その方が面白いという考え方です。 これは単なる価値観の問題ですから、どっちが良いとは言えません。それで、もし、気軽に、頻度高くセーリングを味わいたいと思ったら、デイセーリングが面白いですよという提案です。そして、そのデイセーリングをもっと面白くできるのがデイセーラーというわけです。 重いクルージング艇でデイセーリングするよりも、軽いデイセーラーでセーリングした方が面白い。 しかし、ロングクルージングをするなら、軽いデイセーラーでやるより、重いクルージング艇でやったほうが楽です。さあ、どうしようか？ヨットにはそれに合った用途があります。どちらも出来るが、より相応しい性能があります。 強風になれば、重いヨットだって良く走ります。しかし、微風も軽風もあるわけですから、それらを含めて考える事になります。それで、デイセーラーは微風〜強風までのセーリングを考えますから、軽めの船体を目指し、シングル前提がありますから、より高いスタビリティーを目指します。その方が、いろんな風の中で走るに面白いからです。それで、しょっちゅうのりますと、徐々に、いろんな処に気づいていきます。最初はより速くだけだったのが、操作性や走っている時の感じや、安定性や、舵の感じや、いろんな事に意識が及ぶようになります。だからこそ、セーリングを重視したら、そういういろんな面に品質の高さを求める事になっていきます。それに対応しているのがデイセーラーというわけです。クルージング艇に求める内容とは違います。 しかし、その代わり、デイセーラーはキャビンの広さやキャビン内の快適設備という物を省いています。それは全てセーリングに重きを置いているからです。無いというのではありません。ありますが、シンプルであります。それで十分という考え方です。 また、レーサークルーザーというジャンルもあります。クルージング艇としての機能を持ちながら、十分な内装の広さや設備を持ちながら、且つセーリングも疎かににはしていません。排水量はクルージング艇よりも軽めで、セールエリアも大きくなります。だからセーリングしても速いし、クルージングに使うにも十分。但し、シングル前提はありません。 日常にデイセーリングを楽しみ、たまにちょっと遠出をするなら、クルージング艇というより、こういうレーサークルーザーの方が良いと思います。まして、クルージングが海岸沿いで、エンジンで行くなら尚更、そう思います。これなら両方を楽しめる。しかも、十分高い性能を楽しめます。但し、シングルでは無い。 或は、デイセーリングに割り切って、或は、出るにしても、近場のクルージング程度、短い距離程度なら、デイセーラーで十分だろうと思います。これならシングルでも、それ以上でもOKです。 まあ、いわゆる沿岸クルージング艇というのは、別荘的使い方を加えた方が良い。それに合っているのではなかろうか？セーリングそこそこ、そしてたま〜に沿岸クルージング、そして多くを別荘的に使うには相応しいのではなかろうか？ エアコンがあって、テレビやオーディオがあって、部屋も幾つかあって、船内は自宅の設備と変わらないぐらいの快適さがあります。それって住むに相応しいでしょう。別荘的使い方に頻度をあげる。それがこのヨットの使い方ではなかろうか？ デイセーラーの使い方はセーリングに頻度をあげる。レーサークルーザーはセーリング重視ですが、多分、デイセーラーよりセーリングの頻度は落ちるかもしれません。でも、一方、ロングのクルージングが顔を出す。年に１回でも２回でも、そういう事を含めたコンセプトになると思います。 別荘が無い、ロングクルージングも無い、あっても近場というなら、それに決まったクルーが居ないなら、仮にいたとしても、セーリング中心なら、デイセーラーが御勧めなわけです。 |