第五話 デフレがもたらしたもの

   
   

最近は物価が上がってきていますが、それでも基本的にはまだデフレかもしれない。昨今の物価高は、いわゆるコストプッシュインフレ、石油の値上がりはあらゆる方面に影響を与えますし、戦争の影響も大きい。物価高にあっても、需要によるインフレでは無いので、我々のマインドはデフレのまま。それも30年にも及ぶのは異常としか思えません。。その間に欧米はインフレでヨットの値段も毎年、確実に値上がりしてきました。もちろん、為替レートの要因もありますが。

という事は、欧米ヨットの価格が日本人感覚では高く感じます。向こうじゃ当たり前。30年も差がついている。という事で、新艇が輸入される数は減り、中古艇に向かうのは自然の流れではなかろうか。ところが、新艇減少に伴って、中古として市場に出てくるのも少なくなって来るというのは必然の流れでもあります。但し、一方ではオーナーの高齢化によってヨットから引退していく人達が増えてきています。つまり買い替えでは無く、ヨットやめるという事で売却という流れです。そして、これらのヨットが市場に出てくるという具合です。もちろん、高齢化によって、サイズダウンしたり、もっと簡単に動かせるヨットとかへの買い替え需要もあります。これらは大抵は中古需要になります。

それでかどうか、古いヨットが多いです。30年物なんて当たり前と言ってもいいぐらい。そこで気がつく事はヨットは何と長持ちなんだろうという事です。ヨットの主体は船体ですが、それ以外はみんな交換できるものばかり・つまり、船体が長持ちなので、艤装品さえ新しくすれば、この先もずっと乗れるというわけです。だからますます新艇が増えないのかな? もし、日本の景気が良かったら、中古買うより、新艇という具合になったはず。そうなると、中古も増えたはず。全てはデフレか。

ならば、中古艇狙いも悪くない。前述したようにヨットは長持ちです。古くても整備さえすれば、この先長く乗れる。という事で、いよいよヨット界もリニューアルの世界に突入か? レースで勝ちたいなら新しい方が有利だが、クルージングとかセーリングという面では、必ずしも新しい方が良いとも言えない。だから、中古艇というジャンルをもう一度考えてみる必要もあるかもしれない。古くても、気に入ったデザインなら、リニューアルしてみるというのもありだと思います。

上の写真はデヘラー28,今年の初めから作業を続け、様々な箇所に手を入れてきました。もうすぐ終わります。リニューアルはそれなりのコストがかかりますが、新艇買うより当然安いわけで、しかも新艇はかなり高くなっていますから、こういう考え方もありだと思います。このヨット、本当に綺麗です。まだ売りには出していませんが、近いうちに出す予定です。これが終わったら、次は下の写真のディナミカ940に手をいれる予定にしています。



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