第二十五話 好きなヨット

   
   

好き嫌いに理屈はありません。感覚的に好きなんでしょうがない。個人的な好みはビジネスに持ち込むべきでは無いのですが、まあ、ここは自由な勝手トークですからご容赦願うとして、個人的に最も気になっているヨットは当然ながらデイセーラーで、アレリオンと上の写真のイーグル38です。デイセーラーとして38フィートはでかすぎるだろうというご意見もあると思いますが、この上のサイズのイーグル44に乗った経験から言っても全く問題無い。シングルハンドが楽にできる。何しろ、船体ボリュームがクルージング艇と比較すると小さいので圧倒感が無いというのがその理由です。スリムでフリーボードが低い。

このヨットが好きな理由はデザインが美しい事が筆頭に上げられます。前後に長く突き出したオーバーハングと全体の少しクラシック感を醸し出したデザインが好きで、こういう長いオーバーハングを持たせるにはデザイン的これぐらいの全長が必要なのかもしれません。それとクラシック感がヘビーな感じでは無く軽い感じも良い。リアルクラシックはちょっと気分的に重い。このクラシック感に対して水線以下はモダンデザインですし、排水量も軽量でも図られパフォーマンスも高い。レースをしようという話では無く、デイセーリングでも速い方が面白い。それをシングルでも容易に操作できるというのが良い。これなら、誰でも気軽に誘える。

さあ、艤装はどうしようか?セールはダクロンより少し良いセールにして、それでも38フィートですからそこそこは重いだろう。ではスライダーをストロングトラックにしよう。バットカーである必要は無いかな。加えて、ハリヤードウィンチを電動にしてしまおう。これなら楽勝だ。ジブはセルフタッキングでは無いが、これはこれで良い。この際シートウィンチも電動という手もある。さらにメインシートだって電動の特殊モーターで出す引くの両方をボタンひとつだけでできる。これからの年齢から来る非力を考えればそれも良い選択だ。メインセールをブームファーラーにしても良い。簡単操作、でも、調整の余地を楽しめる。こうなるとバングもバックステーも油圧だな。さらに第三のセールとしてコードゼロ、このヨットではバウスプリットを設置する必要も無い。兎に角、快走を楽しみたい。

出航前にコードゼロをファーリングしたまま上げておいて、海に出たら、メインとジブを出し、風が弱い時にはコードゼロを使う。ジブとコードゼロを使い分けて、できるだけ広い範囲の風に対応できたら良い。どのみち2,3時間のセーリングだし、だからこそ中身の濃いセーリングを味わえる。セーリングの後はゆったりだ。

個人的にはドジャーやビミニは要らない。素のままが美しいから。それにドジャーは前方の視界を遮る。さて、キャビン、これはたいして重要では無いが、バウバースがあってその手前にシングルバースがある。それに簡単なギャレーシンク、コンロは無いが、カセットコンロを持ち込めば充分。料理はしないのでお湯をわかす程度。それにマリントイレ、これは普段使う事はまずないが緊急用。個室では無いが、キャビンの入口を閉じれば個室になる。それで良い。無理に個室を造ると良くない。シャワーは要らない、温水も要らない、冷蔵庫も要らない、小さなソフトアイスボックスをコクピットに転がしておく。

兎に角、美しいヨットを美しく走らせグッドフィーリングを獲得したい。所詮は遊び、どこかに行くなら車の方が楽だし、セーリングを味わう。自由自在に味わえたら最高、あくまで個人です。

最後に、アレリオン28も好きなヨットです。ただ、微軽風時にちょっと重さを感じますので、バウスプリットを造ってコードゼロを展開できるようにしたら、これも良いだろうと思います。28フィートなら全部マニュアルでいい。想像するだけでも楽しいが、やはり現物を日常のものとできたらな〜と、まあ、憧れです。

余談ですが、チークデッキが標準なのですが、最近は人工チークを採用してきています。メインテナンスが楽だそうで、昨今のチーク事情は資源が少なくなっているとか。これも自然の流れですね。これがいつかは普通になる。昔は本物のチーク材を使っていたんだとか思い出話になるか?それにストライプの目地以外にいろんなデザインやカラーがあります。今後は過去のスタイルから脱してそういう新しいモードに入っていくのかな?


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