第三十四話 サンビーム 第二弾

   
   

以前、オーストリアの32.1をご紹介しました。それは従来のデイセーラーとクルージング艇の間を狙ったコンセプト。デイセーラーのパフォーマンスとシングルハンドの操作性、と同時にデイセーラーよりも居住性を良くしたヨットでした。そして、この度、サンビーム29.1を発表しています。これも同様のコンセプト。どうもサンビーム社はこの路線を突っ走る様です。

当然ながら個室トイレがあってギャレーがあって、これに両サイドソファーとテーブル、そしてバウバースです。シンプルだし、余計な物は無いし、スッキリしていて殆どの方々の使い方として充分ではなかろうか?むしろ使いやすい。長期の旅に出るわけじゃ無い。かと言って、純デイセーラーだとちょっと居住性がもう少し広い方がと思う方々、走って面白いし近場の旅も余裕かな。

全てのロ―プコントロールはコクピット左右のウィンチにリードされていて、オプションにはなりますが電動ウィンチに変更するといわゆるプッシュンボタンセーリングが容易に可能になります。排水量は2,000g、バラストは35%、メインセールは30u、ジブはセルフタッキングで17u、ファーリングジェネカー又はファーリングコードゼロにはバウスプリットがあります。

デイセーラー/ウィークエンダーとも言えますが、ウィークイェンダー+ と言えると思います。これなら割り切るのにそうハードルは高くなさそうです。サンビーム曰く、”ゲームチェンジャー” だとか。つまり、本格的に遠くへ旅する人達ばかりじゃないし、かと言ってデイセーラーには割り切れない人達、そんな方々へ新しいゲームの仕方がありますよというアピールだと思います。

さあ、他の造船所もこれに追随していくのか? このヨットの反響次第なんでしょうが、だからと言って既存のデイセーラーが無くなる事は決して無い。しかし、過去からの流れを見ていきますと少しづつ変わっていきます。どこかが新しいチャレンジをして、それが成功していくと必ず似たコンセプトのヨットが他から出てきます。それがどんどん増えていけば一般化されます。そしてまた次ですね。そうやって変化していく様を見ると面白いものです。


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