第五十八話 セーリングはスポーツする事 

   
   

セーリングはスポーツする事です。頭を使って頭のスポーツ、身体を使って身体のスポーツ、感覚を使って感性のスポーツ、セーリングは全てほぼ同時に使います。近場の海域を主とするなら是非スポーツとしても意識して頂ければと思います。

ピクニックしている時でも、たまたま良い風が吹いてきたらその間だけでもスポーツしてみては如何でしょうか?風を見て、セールを見て、より効率良く速く走らせる事を考えます。5分でも10分でも良い。セールの角度と形状を考えどう操作したら良いのか?操作すればすぐにその結果が解ります。少しでも一瞬でも快走を感じて欲しいと思います。

やると解りますが、舵操作が大事になります。できるだけ真っすぐ走らせる事、そうすると風向に対して一定角度を維持できます。もし、ジグザグに走ると風向がいつも変化し、せっかくのセールセットが良くなったり悪くなったり。でも、風向自体が変わる事もあります。そうしますと、その風向の変化に対して常に同じ角度を維持できるように舵取りをする事になります。

或いは、風向の変化に関係無く常に真っすぐ走るように舵取りをする。そうしますと風向の変化に応じてセールの方を操作する事になります。セーリングはこのどちらかです。ですから、今どっちの方法で走るかを意識して舵取りをします。

セーリングは身体はそんなにたいして使わないのですが、頭は使います。また変化に対して感覚も使います。そして上手くなればなる程身体はもっと楽になります。無駄が無くなるからですね。タックする時、舵を勝手に切るとジブをかえすのが遅れたり、その逆だったりしてタック後にシートウィンチで何回も何回も巻き上げる事になりますが、舵とのタイミングが合えばシートウィンチはちょいちょいで終わらせる事ができるようになります。上手くなるという事は楽になるという事にもなります。もちろん、そんな事出来なくたってセーリングは成立しますが、でも、簡単にやってのけるってカッコ良くありません?

セーリングをスポーツしていけばシート操作以外のロープ類の役目が解ってきます。バックステーアジャスター、バング、トラベラー、カニンガム、何の為にいろんなロープがあるのか?それらを使わなくても良いが、でも、無駄にあるわけじゃない。そして解ってくると使いたくなる。それで変化を感じると面白くなる。面白くなるともっとコントロールしたくなり、それをやるとセーリングの難しさも解ってくる。するともっとスポーツしたくなる。セーリングは何もレースしなくてもスポーツなのです。下手でもスポーツなのです。要は意識がセーリングとともにある事だと思います。スポーツは楽しいだけじゃなくて面白いというレベルになります。スポーツは上手くなりたいという意識を芽生えさせる。

キャビンは休憩する為にあります。寝泊りする為にあります。だからセーリングの合間に旅に出た時なんかもキャビンを使います。その時キャビンはどれだけ必要ななのか?セーリングスポーツの割合が増えればキャビンはシンプルが良いとなり、旅が多くなればキャビンは充実させたくなります。どちらでも好きな方で良いわけですが、これは近場か遠方かとも同じで、ただ自分自身がどっち優先かを意識しておいた方が良いかと思います。良くどんな乗り方をしますか?と聞いたりしますが、これは近場か遠方かと考えても良いかと思います。


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