第六十二話 でかいキャビンは必要ですか?

   
クルージング艇は大きなキャビンを持っています。旅が目的ですからそれも解ら無いわけじゃない。しかし、その船体のでかさに圧倒される事はありませんか?それで気軽に出れなくなるという事はありませんか?誰かが来てくれないと出せなくなるとしたら、その誰かの都合をいつも気にしていなくてはなりません。絶好の天候で、今出たら気持ち良いだろうなと思ってもそうは行かなくなる事もあるかもしれません。

さて、そのでかいキャビンは本当に必要だろうか?自分の使い方に合っているだろうか?どれだけキャビンを使うのか?上記の様な圧倒感は無いか?もし、忙しくて遠くへ旅をする暇も無いなら、また、滅多にヨットに泊まる様な事も無いなら、使うのは殆どコクピットばかりなら、キャビンはそんなにでかい必要無いんじゃなかろうか?

そのキャビンが狭くなると多少は窮屈になるかもしれない。でも、そんなに使わないなら良いか?全体ボリュームが小さくなって圧倒館も無くなれば気軽に出せるようになれる。それなら自分が思った時のタイミングでセーリングができる。それに排水量も軽くなってよりセーリング性能も上がるし、セーリングを楽しむにはもってこいです。

それがデイセーラーです。デッキは低くなり海面に近く、この感覚は全然違います。スピード感もあるし、安定性も高くなるし、さらにクルージング艇よりセールは小さいのにクルージング艇より速いのです。この事は大きなメリットでセールが小さければコントロールはし易くなり、それでも良く走ってくれればピクニックセーリングにしたって楽しくなります。

長期の旅をするならキャビンはでかい方が良いかもしれない。しかし、短い旅ならキャビンはそれ程必要では無いしセーリングも楽しめて、気軽で、シングルもできてセーリングの面白さも容易に満喫できる。要はクルージング艇は遠い海へ、デイセーラーは近くの海で、そういう分け方で良いんじゃないかと思います。遠くへ旅するならどういう使い方をするか? 近くならどういう遊び方をするか?この二つは全然違う遊び方になるのではないかと思います。近い海での楽しみ方とするならセーリングをスポーツするのが良いと思います。もちろんピクニックも旅も楽しめます。

上の写真はイーグル38、下の写真はその内装です。38フィートにしては内装は確かに狭い。それはクルージング艇と比べればの話、でも、旅に出ても少人数ならゆっくり寝れます。38フィートと聞いてそれをシングルで? と思われるかもしれませんが、クルージング艇の38フィートとはボリュームが違います。圧倒感が無い。だから気軽になれます。さらに操作面にしても容易に手が届きますし、まして電動にすれば尚簡単。でも、走りは快適です。

ただ、各人の使い方次第である事は言うまでも無いのですが、それは旅だ、セーリングだとかそういう分類よりも近いか遠いかで分類した方が良いかもしれません。遠ければ必然的にそれは旅となって、船内に泊まる事が前提だしより多くの機会で室内で過ごすようになると思います。が、一方近所なら室内を使う機会が少なくなって、それに対してピクニックも含めたセーリングが多くなる。どっちがより使いやすくて面白いかは明白です。ですから、生活環境を考えて近くか遠くかを選択するのが良いのでは無かろうか?



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