第六十五話 でかいサイズのデイセーラーもあります

   
   

さてこれまで何話にかにかけてデイセーラーとイーグル38について書いてきました。イーグル38はこのシリーズの最小サイズで大きなサイズとしては44,新モデルで46を建造中、そして最大サイズが写真の54フィートです。デイセーラーというコンセプトを共有しながらこんなサイズのヨットも建造している。欧米市場は流石としか言いようがありません。こういうサイズの需要があるという事ですね。これには少し驚くばかりです。デイセーラーコンセプトでは30フィートぐらいのヨットが最も多いのですが、この54,また他にはBヨットの60というのもあります。アメリカでカスタムでデイセーラーの60フィートを建造した人も居ます。何にしたってでかいのが好きだと言う人は居るものですが、プロダクション化されている事が驚きと言いますか、プロダクション化するにはそうするだけの需要があるという事になります。

このサイズでもシングルハンドを可能にしています。実際にシングルで乗られるかどうかは各人次第ですが、慣れればできるようになります。造船所はそういう観点でデザイナーに依頼し出来上がったのがこの
54フィートです。このサイズになるとデイセーラーであってもフィールドはもっと広く考えると思いますが、でも、サイズをでかくして遠くを目指したいというわけではありません。やっぱり近場には違いない。遠方では無く近場にフィールドを求めている方々が一定程度存在するという事だと思います。そのうえで慣れた方はでっかいのを求めるのかもしれません。この事は欧米市場においてデイセーラーというコンセプトの定着と広がりを感じます。

これが日本で受け入れられる事は今は無いだろうと思いますが、その前にこのコンセプトが広く受け入れられていく事が必要です。デイセーリングというコンセプト、これは何もデイセーラーで無ければならないわけでは無く、ヨットなら何でもできるわけです。このコンセプトが浸透していきますとこのスタイルにはどんなヨットがより相応しいかと考えるようになり、それでデイセーラーという存在感が理解されるようになると思います。ゆっくりでも良いですから徐々に進んで欲しいなと思います。このコンセプト日本に絶対合っていると思います。働き方改革とか言っても、何だかんだ言っても、日本人は忙しいし働くのが好きなんですから。そして時に癒しを求めセーリングに勤しむ。気軽で面白くなくてはいけません。

でかいデイセーラーである必要は無いかもしれませんが、現代の技術はそれをシングルでも可能にしてきたという事実は見逃せません。スラスターやパワーアシスト、ジブファーリングやメインファーラーでさえ電動とする事が現代では可能です。その技術が小さなサイズにまで及んで来ました。上記の54フィートを全てボタン操作にする事も可能になりました。だからこういう需要も増えてきたんでしょうね。だからこのサイズでもシングルを可能にしいます。


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