第六十六話 33フィートデイセーラー

   
   


今度は33フィートのデイセーラーです。バウは垂直に降りていますが、後部側は大きなオーバーハングを持たせ全体的なデザインはクラシックイメージです。言わずとしれたシングルハンドで高いセーリングパフォーマンスを持っています。

デイセーラーの中でもスピードをもっと求める場合はできるだけ軽くと長い水線長と考えるとモダンデザインとなります。クラシック系デザインはモダンデザインと比べるとやや重くなり、水線長もオーバーハングのせいで短く成りますが、それでもクルージング艇に比べるとかなりパフォーマンスは高い。それがデイセーラーの特性ですから。にも拘らずセーリング面積は小さいので操作はし易いのがデイセーラーの特徴です。

さて、このヨットはフライヤー33です。昨年マイナーチェンジを施されて戻ってきました。外装変化はバウハッチの位置が変わった程度ですが、内装は竹材を使っています。最近は竹材が一般建築にも広くインテリアに使われている様です。それとトイレを使う時はドアを広げて個室的にする事ができます。

全長は10.1m、幅は2.66m、排水量は3,100kg、セール面積は48.6u、それでSADRは23.2です。スイスイのスイぐらい走ります。もちろんスピード排水量に対するセール面積だけで決るものではありませんが、影響が最も大きい事は確かです。

デイセーラーのセーリングはスピードばかりではありません。セーリングそのものに質の高さを感じさせてくれます。それは硬く強く造られた船体の強靭さから、波や風のプレッシャーに耐える力があるからです。そしてそのフィーリングは滑らかさとなって感じられます。スピードもさることながらこの滑らかさは何と気持ちの良い事か。これぞデイセーラーの真骨頂ではなかろうか。


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