セーリングの目安

セーリングしていて、操作するも基準となる目安が必要になると思います。例えば、ヒール角度。オーバーヒールするのは良くないわけで、これもひとつの目安になります。クローズで走って、ヒール角度20度から25度程度に納める。風が弱い時は、もちろんここまでは行きませんが、風が強い時は、これ以内に納めるようにします。この状態で、セールカーブを見て、ドラフトの位置、深さを見て調整する事になります。

もうひとつ大きく役に立つ目安は風向風速計とスピード計です。風向風速計は、真の風の風向と風速、見かけの風の風向と風速が一目で解りますので、風に対して、どの角度で走っているのか、風速はどうか、そういう事で、セール操作の基準を見つけ易くなります。何度も乗っていますと、風速何ノットで、こうとか、そういうデータが自然に身に着きますので、理解しやすくなると思います。それに、これがあれば、マストトップのウィンデックスを見上げる必要も無くなり、首も疲れません。

この風向風速計にはスピード計をセットにして設置しないと、真の風が解りません。この二つは連動し、真と見かけの風を計算してデータとして表示してくれます。それで、スピード計はと言いますと、船底に穴をあけて、そこに小さなプロペラを設置して、その回転でスピードを測っています。それで、このペラはいつもスムースに動いていないと計算が狂いますから、時折、ゴミがつまったりしますと、数値が狂いますので、掃除してやる必要があります。

操作の効率はスピードに出てきます。同じ風で、同じヨットで、よりスピードが速いという事は、より抵抗が無い、効率の良いセーリングをしている事になりますから、操作をする事によって、スピードが落ちたら、それは不正解。でも、意識的に、スピード落としてでも角度を稼ぎに行こうとしているなら別です。何にしても、風向風速計とスピード計は、セーリングにおいていろんな操作をする場合の目安となりますので、設置すると面白いかと思います。

こうなってきますと、ヨット自体のコンディションを良い状態に保つ事が必要になります。船底が汚れていたりしますと、セーリングを気にする人にとっては明確に違いが解ります。水は空気よりも800倍の密度があり、それが船底やキールを流れていくわけですから、それがでこぼこがあったりしますと、。影響力は非常に大きくなります。スムースに流れるべき海水が、乱れて、ヨットにブレーキをかけます。これでは良いセーリングはできませんので、船底をきれにしておく事は非常に重要です。上架保管されているヨットは、この心配はありませんが、係留保管の場合、場所にもよりますが、少なくとも年に1回から2回の上架、古い船底塗装をサンディングして落とし、新しく船底塗装をする必要があります。船底がきれいでないと、走りが全く異なりますし、フィーリングも違ってきます。そのうえで、マストを支えるステイ類はきちんと調整されているかどうか、これらが基本になり、これがきちんとされていないと、いくら操作しても、無理があります。

セールについても、新しい方が良いのは決まってますが、そうは言ってられないのですが、でも、多くのヨットが非常に古いセールを破れてはいないという理由でそのまま使っています。でも、例えば、クローズでどんなにバックステーを引いても、丸く深いドラフトを消せず、大きくヒールしてしまう。これでは、本来のこのヨットのセーリングができませんので、そういうセールは破れてはいないかもしれませんが、交換した方が、もっと楽に走る事ができます。セールはエンジンですが、消耗品でもあります。

船底をきれいにして、マストもきちんと立って、セールもそこそこは使える状態。少なくとも、そういう基本的なコンディションを整えて、そのうえで、風向風速計、スピード計とを使って、セーリングしていきますと、良い状態でのセーリングが身についていきますから、この先、ちょっと何かが、船底が汚れていたりしますと、その違いも解ってきます。とにかく、良い状態を味わっておく事が必要かと思います。これが、今後の全ての目安になっていくと思います。ヨットはいつもベストコンディションを!その上で、いろんな操作をしてその違いで判断していく事になります。コンディションが悪いと判断しようが無くなる。それに、ヨットの状態が良いと、それだけでスムースさが感じられてきます。最初っから良いコンディションのヨットに乗り続けていきますと、それが当たり前で、何かおかしいと気持ち悪くなります。感覚が良い状態を覚えています。それが必要なんだろうと思います。セーリングにおは良い感じが必要です。そのれが面白さ、楽しさになっていくと思います。

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