第十八話 共同オーナー

何人かで出資し合って、ヨットを共同で購入する。そういうやり方をされている方々がおられます。私の知ってる限りでは、最大10人という共同オーナーがおられました。各人の負担は少ないし、
これはこれで悪いシステムでは無いと思います。

ところが、結構これがうまく行かないケースが多く、特に人数が多いと、乗る回数にばらつきが出たり、転勤していったり、いろいろ事情の変化で、このシステムも危うくなったりします。状況の変化は仕方が無いので、事前にいろんなケースについて決め事をしておくのが良いと思います。ある共同オーナーは解散するまでの決め事をしている方々もおられました。

共同では、各人がバラバラに使うケースが多くなります。あるオーナーの家族単位であったり、或いはメンバーの一部だけだったり、そういう場合、どうしてもばらつきのせいで、特に修理などが発生したり、或いは、新しい艤装品の設置だったりする時、意見の食い違いが出てくる事があります。共同オーナーのメリットは少ない出資で、一人では買えないようなヨットに乗る事ができますので、それは大きなメリットです。それをうまく運営していく為には、やはり皆さんのお互いの価値観の尊重が必要ですし、それとメンバー全員がそのヨットに深く関わっていく事だろうと思います。

ファミリークルージングの話でも書きましたが、同様で、各メンバーが深く関わる事で、ヨットの運営に参加できるようになり、全員が主役になれます。そういう事でチームワークを良くする。のんびり走るタイプ、がんがん走るタイプ、遠くに行きたいタイプ、宴会になると盛り上がるタイプ、それぞれを認める必要があります。

共同オーナーでうまくいかないケースも多いんですが、悪いシステムではありませんので、気の合う仲間と、できれば同じようなセーリングスタイルを持っている方と組まれると良いと思います。
いくら決め事を細かくしておいたとしても、決め事だからしぶしぶ従うというようなケースが出てくるといけません。それは分裂の始まりで、気分は大切です。みんなが納得して進んで従うものでなければ楽しく無くなります。ですから、価値観の共有や互いの尊重、コミュニケーションなど、決め事以外のところでうまくやる必要があります。ですから、人数が多くなる程難しいですし、長期間になる程難しくなる。でも、これさえ上手く運営できれば、クルーに困らないし、いろんな使い方も味わえて面白いかもしれませんね。

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