第三十四話 月夜の晩に

そろそろ暖かくなってきました。そこで提案ですが、たまには、ヨットに泊まりに行くというのはどうでしょう。きれいな月がでていますと、結構明るいものです。そういう時に、誰かを誘って、コクピットで一杯飲む。そういうのも悪く無い。これもキャビンでは無く、コクピットで飲む。せっかくのきれいな月ですから、それを眺めながら飲む。疲れてきたら、キャビンで寝る。

そういう事をたまにしていたら、月夜の明るい夜に、静かにセーリングに出て見るのも悪く無い。こういう時はエンジンは無粋ですから、セーリング、細かい事言わずに、静かにセーリングしてみる。
月夜というのは意外と明るいもんです。

夜のセーリングというのはちょっと怖い。それだけに、日頃、ホームポートの近辺を知っておいた方が良い。つまりは、デイセーリングを頻繁にやって、海域を知る事、慣れる事も必要でしょう。それに慣れていればいる程、夜にも出しやすくなる。何も遠くに行こうという話ではありません。ほんの1時間ぐらいでも良い。月夜に静かにセーリングしてみるというのも粋なもんです。夏なんかですと、昼間は暑いので、夜の方が涼しくて良いかもしれません。

夜景を海から眺めて、一杯飲む。もちろん、操船者はご法度ですが。月を眺めながら飲む。こんな日があっても良い。こういう乗り方は、普段のセーリングにアクセントをつけてくれますね。大抵、マリーナは誰も居ませんから、静かで、なかなか気持ちが良いものです。

まずは、夜のセーリングとまでは行かないにしても、コクピットで月夜の一杯を楽しんでみてはいかがでしょうか?ヨットに泊まるなら、帰りの心配も無用です。早朝のセーリングをして見るという手もあります。夜明けを狙ってセーリングという手もある。

兎に角、普段の使い方に、時には変化をつける。こんな時でも活躍するのは、キャビンでは無く、コクピットかと思います。デイセーラーはこんな使い方にも、気軽さを与えてくれますね。気軽なのが一番です。

夜にコクピットで過ごすとなると、いくら月が明るいと言っても、明かりがほしい。ブームにランプを吊るす。或いは、ブームにLEDライトなんか埋め込んでも良いですね。最近は小さくて、良いのがあるようです。環境が変われば、また気分も変わる。たまには良いです。そして、そのうち、月夜の晩にそっとセーリングに出て見る。それだけで、昼間とは全く異なる気分になれる。これもヨットの魅力のひとつです。セーリングの魅力のひとつです。静かな月夜の晩なら、簡単なジブだけでも良いじゃないですか、何もはりきってセーリングしようという事ではありませんから。初めての時はちょっと怖いでしょうが、二回目、三回目とかなりますと、少しづつ慣れてきて、ぐっと良い気分に浸れるようになる。その為にも、普段はデイセーリングをしておく必要があります。そのうち、月夜の晩にセーリングするぞ、という気持ちで観察しておく。誰かを誘って、出れば、そう怖いものでも無い。何しろ、月夜の晩はとっても明るい。中秋の名月とか言います。今年の秋にでも、名月の夜にセーリングを計画してみる。その為には、昼間のデイセーリングと、時には夜にヨットで過ごす事も、その助走となると思います。何しろ、昼と夜は世界が違う。真っ暗闇は嫌ですが、月夜はその中間ぐらいでしょうかね。是非、今年は月夜の晩に、ナイトセーリングを考えてみてはいかがでしょうか?

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