第七十八話 新艇艤装
現在、アレリオン28が入荷し、地元福岡で艤装中であります。実は、このヨットの納艇先は神奈川県です。アメリカから輸入し、何故、直接横浜に入れて、艤装しないのか?その方が効率的には良いように見えます。以前はそうしました。しかしながら、これまでのいろんな経験から、一旦福岡に入れて、艤装する事を選びました。福岡で通関後、マリーナに移動し、ここで小型船舶の検査、マスト立て、チューニング、セールセット、テストラン、実際に全ての装備を作動させ、調整をします。 オーナーによっては、オーナーの地元でと言われる場合がありますが、できるだけ私共の地元でさせて頂くようお願いしております。それには理由があります。 新艇を入れる場合、そのまま組み立てれば全て完璧という事ではありません。実際に使用するにあたっては、こうした方が良いとか、ああした方が良いとか、小さな事がいろいろ出てくるものです。船底塗装ひとつとってもそうです。造船所で船底塗装をする事もできますが、塗装後、約1ヶ月以上海に下りない。これまでの経験上、こういうケースでは船底塗装の効果が薄くなるようです。さらに、オーナーによっては船底塗装のブランド指定もあれば、色の指定もある。陸上保管の場合、船底塗装効果よりも見た目の美しさも必要ですので、陸上保管の場合はスプレー塗装をしたり、海上保管の場合は刷毛塗りしたりします。 また、こだわりあるオーナーがハルカラーの指定、ウォーターラインの指定という事もありますし、その色にしても様々です。同じネイビーと言ってもたくさんのネイビーがあります。また、どんな色でも作る事ができます。キールを設置する場合も、そのままポンとつければ良いというわけには行きません。船名ひとつにしても、ロゴや色、いろいろあるものです。そういうオーナーのひとつひとつのご要求に応えるには、地元でやる方が良いという判断です。こちらでは、全てを揃える事ができます。 写真はアレリオン28です。白いハルで来たのですが、オーナー指定にてネイビーに塗装しています。ウォーターラインも白に塗り替え、船底は陸置保管ですので、硬めの塗料をスプレーしています。ハルは10回程スプレーし、最後にクリアーを塗装、そして磨き上げています。 日本のどこに納入するにしても、一旦は福岡に入れ、全て組み上げ、調整して、再びマストを抜いて、輸送、現地ではマストを立てに行きます。その方が遥に、きちんとできると思っています。こちらでは、木工、塗装、金属加工作成、電気関係、コクピットドジャーやビミニトップの作成、、ヨットに関する事なら何でもできますので、その方が確実だと思っております。それに、博多以外のオーナーに取りましても、博多の海でのセーリングのチャンスでもあります。 |