第二十四話 見直しタイム

何年もヨットやってますと、気がつかないうちに惰性で乗ってきたという事もあると思います。最初の新鮮な感覚は、例えば、ビールの一杯目のうまい事、2杯目以降は惰性かな?そういう事もあると思います。それで、新に見直してみるという事も、いろいろな面でリフレッシュできて、新鮮な気持ちに戻れると思います。

ヨットを見直す。メインテナンスも含めて、キャビンに溜まったたくさんの私物、多くはこの何年も使っていないのも一杯眠っている。そういう私物をこの際全部撤去して、スッキリしてみる。よくよく見ますと、実にたくさんの不要物で一杯ではありませんか?何にも無くなって、スッキリして、ついでに掃除なんかするだけで、かなりリフレッシュされると思います。あれも要るかも、これも要るかも、と考えますと片付かない。たいていは要らないもんです。思い切りが必要です。

キャビンがスッキリするだけでも、かなり違うのですが、この際ですから、デッキの上もスッキリと、不要なそれも古いシートがあったり、汚れまくったシートだったり、パルピットなんかに汚いビニルテープが巻いてあったり、使わないブロックや汚れたカップホルダー、なんやかんやとその都度設置してきた物が、そのまま汚くなって、使わない状態で、もっと汚れ、こういうので気分をスポイルしてしまいますから、できるだけ不要な物は撤去、或いはロッカーに収納、スッキリしましょう。そして、もちろん掃除です。

内外の不要物を撤去して、掃除するだけで、見違える事もあります。そうしますと自分の気分も新たになり、リフレッシュ気分でまたセーリングする事ができます。本当は年に1回ぐらいは、シーズン前ぐらいに見直してやった方が良いと思います。破れたブームカバーをそのままにして、ロープでぐるぐる巻きにしてあるヨットを時々見ますが、やっぱりみっともないと思いますね。カバーを修理するなり、作り変えるなりして、いつも小奇麗に、スッキリしておく。すると気分はそれだけでも違うものです。せっかくの名艇も、汚れまくっていたのでは、がっかりです。

この際ですから、もうひとつ見直してみましょう。過去の数年間の乗り方です。過去どのぐらいの頻度で、どのように使ってきたかです。それに満足で、もっとと思われるなら、正しい道におられる。しかし、理由は兎も角、あまり使ってこなかった、楽しんでこなかった、いまいちだと思われるなら、スッキリしたついでに、乗り方も変えてみるという手もあります。

クルージング一辺倒だった方が、セーリングに取り組んでみるとかです。いつもここに来ます。気分も新た、シート類も新しくして、ウィンチにグリスなんか塗布して、この際ですから、新しい手袋なんか買って、新たな気分を演出してみましょう。

気分はいつも環境に左右されてしまう。ならば環境をちょっと変えてみる事をお奨めします。気分がリフレッシュされれば、意欲も湧くし、面白さも湧いてこようというものです。忙しいので、なかなか遠くへいけない。そういう方は、今シーズンはひとつデイセーリングを堪能してみようか、とか思って頂けると幸いです。デイセーリングなら、ギャレーには、コーヒー程度が沸かせればOK,最低限の荷物でスッキリ、気軽にちょいと何度も出せるセーリング。それでいて、質の高いセーリング、そういう乗り方も悪く無いと思いますが。

兎も角、定期的に見直してみるというのは、確認の為にも、方向転換するにも、良いかと思います。新な気分は良い感じです。部屋の模様変えなんかしますと、気分が変わりますよね。あれと同じです。マンネリを防ぐ最高の手段です。スッキリ後はキャビンに新しい小さなクッションをポン、ポンと置いておくだけでも違いますね。小さな事で気分も変わります。

つまり、演出力なのでしょう。ヨットは自分で演出しなければなりません。ちょっとした事で気分もガラリを変わる事があります。そういうちょっとした演出として、見直しタイムを時々意識してみるのも悪く無いと思います。

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