第六十一話 クルージング〜スポーツ
| クルージングも良いけど、ヨットをスポーツしても良い。スポーツしますと、楽しいという事から面白いに切り替わる。そこがスポーツの良さです。ただ走るだけから、いかにを問いますから、そこでは頭も使うでしょう。良い事だけでも無いかもしれませんが、少なくとも、そこには面白さが湧いてきます。クルージングは楽しい。でも、それにしても、良い事ばかりではありませんし、良い時ばかりを狙うと、行けるチャンスはそう多くは無い事に気付きます。休みと天候が合致しないといけません。 こういうクルージングとセーリングを使い分けるのが良いと思います。クルージングのみ、スポーツのみに限定する事も無く、臨機応変な使い方を考えます。仲間や家族を誘って、楽しいクルージング、時には、どこかに上陸したりして、これも楽しいものです。でも、遠くに行かない限りは行き先は限定されますから、しょっちゅうは同じ事はできませんから、年に１回とか、ちょっと遠出するオーバーナイトクルージング。これらは年に何回できるか？そこが問題です。毎月できるなら、かなり良い。しかし、現実には、そうも行かないようです。 それで、クルージングしない日はどうするか？スポーツすれば良い。これが提案です。実際は年間の多くがスポーツしない限りは、稼動率がぐんと減るのではないかと思います。スポーツすれば、どこか遠くへ行く必要も無く、近場で、同じ海域でも楽しめるからです。何が違うと言って、風が違うし、波も違う。同じ海域でも、セーリングにさえ集中すれば、変化だらけなのです。そこをスポーツするかどうかが大きな違いになると思います。 スポーツと言っても、激しく動く必要は無いわけで、ゆったりでも良いし、ただ、セールを見て、より良いセッティングを考え、舵を持つ手の感触を味わい、船の動きの変化を味わう。タッキング処理が滑らかになったり、ジャイブが簡単に出来るようになったり、思い通りに動かせるようになれば、これまた面白くなります。良い風が吹いてくれば、良い走りになって、気分は最高。ヨットでしか味わえない、特権であります。しかも、自分が解っている。ヨットの事が解り、セーリングが解り、そして良い走りをするというのは、実に良い気分だろうと思います。 これを日常の使い方にセットされてはどうでしょうか？これなら、毎週だって乗れます。面白くなれば、暇さえあればいつでもと思うようになる。それがセーリングの面白さ、深さではないかと思います。最初は動かすだけで精一杯だったのが、だんだん慣れてきて、舵の操作の仕方、タイミングなどが体で解ってくる。セールも、どうしたらより効率的かなどが解ってくる。実際、それをやってみて、舵が軽くなったり、スピードが出たり、ヒールが減少したり、いろんな事を体験していく中に、面白さが見えてくる。 そうやって日常にスポーツとして遊び、時に、家族がその気になるなら、仲間が乗りたいと言い出せば、クルージングして楽しめば良い。弁当持って、ピクニックセーリングでも良いし、どこかに上陸しても良い。兎に角、クルージングだからと言って、セーリングをそこそこにしないで、それなりにセーリングを味わってみようと考えてはいかがでしょうか？その方が、メリハリが付いて、きっと面白さを感じられるようになると思うのですが？ セールは開いただけでも走る事ができる。でも、そこに留まるとやがては飽きてきます。何の変化も読み取れなくなてしまいます。それをもっと、ああでも無い、こうでも無いとやる事によって、いろんなセーリングに変化します。そこまで楽しんで見る方が、長いヨットライフにおいて、きっと充実感が生まれてくるのではないでしょうか？するも自由、しないも自由、どこまでやるかも自由です。やれば、決して良い事だけではありませんが、それ以上の何かを味わう事ができると思います。 |