第七話 人生を楽しむ?

楽しい人生は、誰もが望んでいます。望むという事は楽しんでい無いからでしょう。誰もが望むのなら、それは簡単でも無い事でしょう。という事はとっても価値があるという事になります。人生を心から楽しむというのは、だれもが望んでいる事でありながら、なかなか難しい。難しいから、とっても価値がある。自分の人生を楽しむだけで、それが価値があるのですから、まさしく勝ちであります。

何故、楽しむのが難しいのか?ゲームをやりますと、勝ったり、負けたりしますが、楽しむ事ができます。勝ちを楽しむ事は誰にでもできますが、負けを楽しむ事はできません。でも、ゲームなら直接自分にふりかかる事ではありません。たかがゲームであります。ですから、負けをも楽しむ事ができます。そうか、あそこでこうやれば良かったとか言いながら、笑えるのです。

それが、ちょっとでも自分の身にふりかかる事であれば、こうはいきません。セーリングするにしても、丁度良い天候なら、誰でも楽しむ事ができますが、ちょっと風が強すぎる、波が高い、雨がふる、雪が降る、寒い、暑いといってはもう楽しむ事ができなくなる。喜んだかと思うと、次には不安になったり、いろいろと忙しいのです。そして、次はと良い天候を期待します。

セーリングにもいろいろありますし、何をするにしてもいろいろあります。人生にだっていろいろあります。楽しい人生とは、いろいろあるけれども良い時も悪い時も楽しめれば良いわけです。でも、それが難しい。

まずは面白い事をしましょう。自分が感じる面白い事。しなければならない事はしますが、それ以外、選択の余地があるなら、面白い事をしましょう。そうで無い事はできるだけしない。面白いかどうかは感性で感じ取るのが一番良い。

関西の吉本興業の間寛平さんが、世界を一周するとか。ヨットとランニングです。すごい事ですが、私にとっては面白い事では無いので、やろうとは思わない。面白いと感じる人がすれば良いわけです。面白いのはセーリング。セーリングの妙、フィーリングです。ですから、デイセーリングでおおいに結構なのです。面白いので、多少天候が悪くても、楽しくは無いが面白がる事はできます。その場の対応に神経が集中しますので、辛さもあまり感じない。トータルで面白く感じます。良い時も悪い時も含めて。それなりです。

一生懸命やって何かを得ても、いずれは全部手放す事になりますから、そのプロセスにおいて、いろいろある事を、楽しい時は楽しく、楽しく無いときは面白がる事ができれば、トータルでは面白い人生だったと言えるのではないかと思います。次は、どうなるか、と不安になる事もできますが、次はどうなるだろうと面白がる事もできます。考え方次第と言いますが、まさしくその通りで、百年に一度の大不況とテレビを見ても大騒ぎしていますが、不安ばかりあおって、心配ばかりしても何にもなりません。それで解決するなら、いくらでも心配しますが。

セーリングから学んだ事は、楽しい時を楽しみ、悪い時はできる事をする。それ以外は心配しない。そうするとトータルで面白さが感じられます。すると気楽になれます。いずれにしろ全てをコントロールできないわけですから、それが解れば、かえって面白がる事ができるように思います。タレントの明石屋さんまさん、バブル崩壊の時に莫大な借金を作ったそうで、その時にでも、これから一体どうなるやろ、と思ったが心配はしなかったそうで、かえってどうなるか面白がったと聞きました。なかなかの達人だなと思いましたね。

要は、何をするにしても、良い時と悪い時、それをいかに面白がるかにかかっているような気がします。それには、面白いと感じる事をする事かなと思いますね。セーリングは面白い。ですから、面白がる事ができる。降っても、晴れても。面白く無い事をしますと、こうはいかないだろうと思いますね、きっと。楽しいばかりの人生は無い。しかし、面白い人生はあると思います。少なくとも、面白い事をしましょう。或いは、面白さの工夫も必要かもしれません。

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