第十話 継続 

昔から継続は力なりと言われますが、まさしく、続けていく事は価値がある。価値があるというのは、継続する事が容易では無いからでしょう。容易では無いからこそ、価値があり、力になるという事になります。継続が力になる迄は、何がしかの困難があるかもしれませんが、そこを続けるかどうか?その力が見えてきた時はおおいなる喜びになるんでしょうね。その継続を支えるのは、根性では無く、面白さ。つまりは、いかに面白く演出しながら、継続を容易にできるか。それさえできれば、継続は困難では無くなり、そして力にもなる。全ては、面白さにあります。面白くも無い事を、短期間ならいざ知らず、10年も20年もやれませんよね。ましてや遊びなんですから。

面白さがあって、継続を可能にし、それが力になる。簡単な話、いかに面白く演出できるかにかかっています。面白ければ、誰でも、どうにかしてでも、忙しくても、何とかしようと思うものです。しかし、どんなに好きでも、面白さが無くなる時もあります。そういう時は気分転換で、違う乗り方をする。誰かを招待したり、彼女を招待したり、どこかにクルージングに行ってみたりです。ヨットに泊まってみるのも良いかもしれません。面白いうちは、それを継続し、ちょっと面白さが減衰してきたら、違う事をして気分転換も必要です。先は長い。ちょっと寄り道しながら、良い気分を持続していきましょう。速く走るだけがヨットじゃない。ゆったりも、漂うようにするのもヨットであります。どこかで、釣りなんかしても良い。

そして、ローカルのレースに出てみても良い刺激になります。自分のヨットに対するスタイルの基本は何かをきちんと押さえつつも、時折の寄り道、つまみ食いしながら、長く、長く、継続されますことを願っております。すると、やがては、継続の力が見えてくるかもしれません。続ける事はやっぱり、難しい面もあり、やはり価値があるという事になりますね。どんなに単純に見える事でも、長くやってきた人はやはりどこか違うものです。

こういう方々がたくさん増えてきますと、自然にそれが次ぎの世代にも伝わると思います。そして、どんどん引き継がれ、やがては、それが日本のヨット文化にもなる。日本だけでは無く、世界には動かないヨットがたくさんあると聞きます。それが、今、デイセーラーの登場によって、動くヨットに変わりつつある。今はまだ小さな流れですが、欧米ではその流れが少しづつ大きくなってきています。やっぱり、ヨットは動かした方が面白い。乗って走った方が面白い。いくら欧米人がキャビンで遊ぶのが好きだとしても、やっぱり、セーリングの方がエキサイティングです。デイセーラーはそういう方々への刺激になっていると思います。

セーリングさえ容易にできて、それが面白いのなら、続ける事はかなり容易になります。それもキャビンで遊んでいるよりはるかに大きな刺激になります。多分、これからは、セーリング派とキャビン派はもっと明確に分かれていくのかもしれません。

それで、当社はセーリング派、他の業者はレース派も居れば、旅派も居る。それぞれが、それぞれの特徴でどんどん推し進めていけば、それで良いのかなと思います。何にしても、継続できれば良い。それがきっと力になるのだろうと思います。でも、使わないという状態が続く継続はいけませんね。マイナスのパワーが出てます。ここに面白さ、楽しさは全くありません。ですから、何らかの方法で使う事、それを継続できる事がプラスのパワーを生み出し、何らかのプラスの結果をもたらすかと思います。

何をしようかと迷うなら、1時間、2時間、さっとセーリングしてきたら良い。気分は絶対変わると思います。散歩代わりと考えても良いし、気分転換として乗るも良し。気分が充実していたら、本格的なスポーツと考えても良い。気軽に乗れるなら、いろんなバリエーションが考えられます。兎に角、いかに変化をつけながら、継続する事は重要かと思います。年に2、3回しか乗らなくて、10年経ってしまったら?或いは、何回も何回も乗って10年経ったら?継続の力は多分、大きな差を見せ付けてくれると思います。

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