第十話 ハーバー25

日本初登場のハーバー25、艤装を終え、進水、シートライアルを終えました。その日は、風速が約8m前後でしょうか、少し白波が立つぐらいでした。乗員は私とオーナーの二人。まず、特徴的なのは、非常にバランスが良いという事です。20度ぐらいのヒール角度で、舵から手を離しても、真っすぐ走ります。もちろん、もっと吹いても舵は軽い、というより適度な重量感があって、わずかなあて舵程度で十分です。良く走ってくれました。

幅が狭いので、初期ヒールはしますが、それ以降はぐっと持ちこたえる。かなり安定感があります。この程度の風ではまだまだという感じです。全く恐怖感も無く、ライフラインも必要とは感じない。
スピードも上々の走りです。また、本艇にはバウポールとジェネカーを備えておりましたので、ジェネカーでの帆走も行いましたが、これがまた面白いように走ってくいれました。なかなか言葉では言い表しにくいのですが、デイセーラー、気軽なスポーツセーリング、シングルハンドセーリング、デートセーリング、どれもピッタリな言葉です。

 低いフリーボードにちょっとトラディショナルな
 雰囲気を持ちます。バウデッキにはファーリン
 グジブとジブブームが設置されています。

 本艇はオーナーのご要望にて、メインはスタッ
 クパックにしています。セールはフルバテンで
 す。








 ジブブームがありますので、ランニングもOK
 なのですが、このヨットにはバウポールとジェネ
 カーも設置、そのジェネカーはROLLGENの
 ファーリングシステムを採用致しました。
 これで、もっとエキサイティングな走りも可能と
 なります。

 バウポールはもちろん、コクピットからの操作
 で伸縮操作ができます。

 ROLLGENのジェネカーファーラーはエンドレス
 ロープで展開から巻き取りまで可能です。














 船名にはオーナーのちょっとしたこだわりが
 示されました。なかなか良い感じに仕上がって
 います。












 コクピット横にはウィンチがありません。ジブ
 はセルフタッキングで、シート操作は左右の
 キャビントップのウィンチにリードされており
 ます。また、ジェネカー使用時は、ジブシート
 はカムクリートに、ウィンチはジェネカーシート
 にも使います。

 メインシートはブームエンドから引いて、コクピ
 ット中央のポストにリードされますから、操作
 し易く、しかも軽く片手でできます。





 コクピットの背もたれ部にポケットがついてい
 ます。これには、ジブファーラーのドラムロープ
 ジブのアウトホール、バウポールのコントロー
 るロープ、ジェネカーのシートが収納されるよ
 うになっています。これらロープ類はデッキ下
 を通っており、ですから、コクピットはスッキリ。

 

                               ジェネカーシートは、コクピット外側の
                               ポケットから出てきます。その都度準備する
                               必要がありません。いつもここに収納でき
                               るようになっています。

 最後部には着脱式のスウィミングラダーと
 チーク製フラッグポール、それに後部ロッカー













 深いロッカーです。

 

 コクピットには、キャビン兼用のテーブル
 広いコクピットですので、ここが役に立ち
 ます。












 コクピットから、キャビンを覗いたところ。
 小さなキャビンですが、なかなか良い雰囲気
 
 

 シンクにハンドポンプ、タンクはバッグ方式で
 55リットル。













 右舷側にはエレクトリックパネル
 窓はオープニング式のリューマー製













 後部側は両サイドともに、長いバースになって
 います。













 メインキャビンの向こうは、トイレ。
 スライド式ドアで個室になります。

 

 左舷側にヘッド
 右舷側は収納







 そしてバウバース。
 右上は伸縮式バウポール

 

 バウバースの先を開けると、ジブブームの
 付け根が見えます。













 キャビン入口のステップをはずすと、エンジン。
 ヤンマー2YM15(14HP)、セールドライブシ
 ステム。静かです。
 エンジンの両サイドも開けて見る事ができま
 す。










 さて、キールは最下部にバルブを持つ鉛キー
 ル。全体の約45%ありますので、かなり安定
 性は高く、小人数、特にシングルにはかなり
 安心してセーリングを楽しむ事ができます。
 強風にも安心です。

 プロペラはステンレス製フォールディング。






 














 船底バウ側はやや角度を持った船型
 スプレーが殆ど上がってきません。













 後部側はフラット船型














 ハーバー25はスポーティなセーリングを楽しむ
 事もできれば、ゆったりとしたセーリングを遊ぶ
 事もできます。サイズは25フィートというサイズ
 でありながら、広いコクピットと、狭いながらも
 寛げるキャビンを持ち、なかなか良いデザイン
 を実現しています。

 8m前後のセーリングをし、もっと吹いても安心
 できる感じを受けました。さて、今度は、微軽風
 だとどんな走りを見せてくれるか?

 1,900kgの排水量に850kgのバラストで
 す。それに大き目のセールエリアを持つヨット。
 残念ながら、セーリング中の写真は撮れませ
 んでしたが、知り合いがビデオを撮ってくれま
 したので、近いうちにご覧頂けるかと思います。

 兎に角、頼もしいヨット、素直なヨット、バランス
 が良い。軽風帆走でのレポートを今度したいと
 思います。




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