第九十話 ヨット雑誌

かつては、数冊のヨット雑誌がありましたが、今ではご存知、舵誌のみになってしまいました。その舵誌も、どこの本屋でも置いてあるわけではありません。ヨットがマイナーな証拠ですね。流行の物に対しては、たくさんの雑誌が発行されます。車雑誌の多い事。

業者が集まれば、ヨットが増えるようにならないかという話題はしょっちゅう。でも、いつも結論は出ない。マリーナが主催してレースしたり、集団クルージングの企画したりする事もありますが、年に1回ではどうも、無いよりましですが。

それで、ヨットがもっと使われるようにするにはどうしたら良いのか?と考えますと、思い浮かぶのが、キャビンとデイセーリングです。このふたつを気軽にできるようにする事ではないかと思います。例えば、デイセーリングを楽しんで、その日は、ヨットに1泊するとか。少なくとも、1ヶ月に1回とか2ヶ月1回とか、ヨットに泊まる。冬は寒いですが、季節の良い春や秋にはそういう企画をされてはどうでしょうか?まさしく、別荘的使い方です。別にセーリングはしないでもです。

家族、友人を誘って、ヨットで食事したり酒飲んだり。泊まる前提なら、飲酒もOKです。暖かいなら、キャビンじゃなくても、コクピットで盛り上がるのも良い。そういう事もした方が良い。まずはやってみる事です。場所が変われば気分も変わる。

そうやって、より多く、ヨットで遊ぶ機会を作り、ヨットに接する事で、ヨットをより身近なものにしていく。デイセーリングもそのひとつ。短い時間でも構わないので、ちょっと出すようにする。兎に角、気軽に、ちょっとの時間でも良いので、より多くの機会を作る事が大切ではないかと思います。本来、こういう事が頻繁にできなければ、ヨットというものは、そう動く事が無くなるのではないかと思います。日常にどれだけ接して、ヨットと遊ぶ事ができるか?

こんな事をしょっちゅうやってますと、船に泊まったり、セーリングしたりする事が、身近になりますから、気軽にする事ができるようになる。ついでに、今度は、マリーナ周辺に何かあれば、そういう施設を利用するという手もあります。とにかく、ヨットは使ってやらないと可哀想。

デイセーリングを楽しんで、その夜は一泊。或いは、一泊して、次の朝にセーリング、この際、セーリング無しでも構わない。兎に角、ヨットを使って、何かをしよう。

良い音楽を聴きながら、うまい酒を飲む。ビデオ屋で映画を借りて、ヨットで見ながら、やはり一杯飲む。面倒くさいと思っちゃいけません。兎に角、一度試して頂きたい。会話を楽しむも良し、何かをテーマに議論も良し、もちろん、ヨット談義なんかも。何か理由をつけては、ヨットで楽しむ。ヨットという場所、空間を楽しむ。

スターバックスなんか、そうでしょうね。空間を提供している。ヨットという空間は、エキゾチックでもあります。しかも、夜のマリーナはどうでしょう?この際、ヨットはセーリングだ、クルージングだとかいう概念はちょっと脇に置いて、空間としてのヨットを、気軽に楽しむ事を考えてはいかがでしょうか?そうしますと、ちょっとセーリングに出してみようと思う時もあるでしょう。慣れてきたら、夜間のセーリングも有りえる。慣れた海域の、夏の夜、月のあかりもあれば結構明るい。とにかく、自分でチャンスを作らないと、そうそう乗れなくなります。逆に、慣れてしまうと、気軽に楽しめるようになる。

という事で、今年は、ヨットを空間として楽しむ事、1泊を楽しむ事をお奨めします。そして、当然ながら、デイセーリングを加えていって頂きたい。接触回数を増やして頂きたい。空間ですから、いろんな事に使えるはずです。

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