第4話 直感について
何かを見たり、聞いたりした瞬間、これだと思った事はないでしょうか。或いは、 これは面白い、やってみたい、などと思う、いや感じる事があります。しかし、次 の瞬間、でもまてよ、俺にできるかな?、難しそうだな、などと否定的な意識が 浮かんでくる。そして、やるかやらないを迷って、こういう時はたいていやらない。 * これだと感じたのは直感、この時はプラスを見て、次に理性が働いてマイナスを 見る。こう思うと理性というのは良い事のようで、意外と自分自身の足を引っ張る 役目をしている。そして、やっかいな事に、それが冷静な大人の判断と持ち上げ る傾向にある。理性は社会生活を営むには必要な道具ではある。しかし、自分 自分自身である為には邪魔となる事もある。理性は常識、私は常識では無く、個 性である。しかし、理性はたいてい勝つ。これが常識人と言われる。 * 人と関わるには理性が必要ですが、自分自身の無い理性は面白みが無い。自 分の遊びには、まず、個性を持ってきましょう。何を、どうやるかは理性では無く 感を大切にして、面白いと思った事はどんどんやる。ヨットが面白そうだと感じたら 即、やるべきです。既にヨットをやっている人は、こうしたい、ああしたい、こういう ヨット、ああいうヨットと感じたら、それをやってみるべきです。冷静に考えだしたら きっとやめるべき理由がたくさん出てきます。理性は分析し、判断する。全ては過 去の経験からくる。しかし、過去の経験なんて、無数にあった選択のたったひとつ でしかないんです。それに多くは、自分の経験では無く、よそから入った情報に過 ぎない。全部解っているようで、本当は殆ど解っていない。 * 仮にやってみて、これは俺のやる事じゃ無いなと思ったら、やめれば良い。誰に 迷惑かけるじゃ無し。でも、理性を抑えつけた事実は残る。こういう事を続けてい けば、いつかピタッとくるものにぶちあたるのではないでしょうか。理性だけでは おそらく永久にそういう事は無いのではないでしょうか。ここには個性がある。 * 今や、高度成長時代は終わって、ひたすら発展する事を目標にしてきた時代から 自分自身の生き方を自分で見つける時代。発展の為に自分の全てをささげてきた 時代から、今度は自分自身を活かす時代。そういう時代に過去の集積である理性 では新しい物は発見できない。新しい自分は感で見つけるしかなさそうです。 * レースするわけでもないのにレーサーに乗ったらいけないか?大型艇にシングル で乗ったらいけないか?小型ヨットは楽しくないのか?他人の言う定義は脇におい て、できるだけ何も考えないでヨットを見る。というのはどうでしょう。そしたら、、これ 面白そう、というのが出てくるかもしれません。やれ、大人数乗ったときとか、遠くへ とか、日本一周とか海外へとか、ジェノアとかメインとかファーラーとかスピンとか、 そういう事は置いといて、これしてみたい、面白そうと感じた時、その実行を可能に する手段、容易にする方法を考えていくと、一番自分にあった乗り方がわかるような 気がします。そこに個性があり、新しい発見がある。遊びですから、こういう具合が丁 度良い。 * こうしたいと決まったら、できる方法を考える。その結果、ジブファーラーができ、メイン ファーラーができ、オートパイロットや機器ができる。ジェネカーができて、ファーリング ジェネカーができる。大型艇をシングルハンドで可能にし、新しい物が次々にできる。 これってやっぱり発展ですよね。理性で新しい物はできない。画期的な発見は感が もたらすのではないでしょうか。理性は単なんる補助的な物のようです。 |