第55話 天気予報
天気予報を聞きますと波の高さは1.5mとか言います。しかし、実際走ってみるとそこまで なかったりします。波の高さは一定ではありません。高いのもあれば低いのもある。それで、 天気予報の言う波高は最大でも平均でも無い。何かと言いますと、高い波から低い波まで いろいろの高さがある中で、高い方から3分の1の波の平均だそうです。 それでどうなるかと言いますと、10波に1波ぐらいは予報波高の1.3倍、100波に1波に 1.6倍、1000波に1波に2倍程度の波高の波が現れるそうです。1000波と言うと、周期 の短い波であれば1時間に1回ぐらい、周期の長い波だと3〜4時間に1回くらいです。つまり このぐらいの周期で、天気予報の言う波の高さの2倍の波が来るという事になります。 ただ、天気予報の波高は全体の平均ではありませんので、実際走ってみると、最も多い波の 高さは予報波高の半分ぐらいです。例えば、波高2mならば、最も多い波の高さは1m程度 という事になります。 ついでに、波は風によって発生しますが、急にブローが入ったからといって波が大きくなるもの では無く、風の強さ、吹く時間の長さ、そして距離が長くないと波は成長しきれない。それで、 どの程度の波ができるかですが、風の吹く時間も距離も充分長い場合は風の強さの2乗 x 0.031だそうです。例えば、5m/秒だと、5 x 5 x 0.031=約0.8m、10m/秒 吹けば 10 x 10 x 0.031で約3mの波ができる事になります。風がどんどん上がって 風速が増せば、その分だけ波がどこまでも高くなるかと言うとそうでは無く、重力があります ので、波頭が砕けてエネルギーを発散させるので、波高にも限度がある。ただ、過去の観測 によると、風速35m/秒の時に37mの波高が観測されたそうです。まあ、こういう恐ろしい 状況でヨットに乗る事は無いでしょうが、特に遠方へ行く時は気象には充分注意しておいた方 が良さそうですね。 ヨットに乗るという事はヨットの操船ばかりでは無く、気象にも親しんだ方が良さそうです。そし て誰でも、ある程度乗ってくると、戸外に出た時に風の強さなどを自然に意識してきます。今日 は吹いてるな、なんて事を考えます。そして、出る前にある程度予想して出ると気持ちにも余裕 が生まれてきます。 |