第56話 海域を知る

ヨットを始めるにあたっては多くの人がその操船の事ばかりを考えます。それも大切なこと
である事には変わりありませんが、また走る海域についても学ぶ必要があります。

海に出ると陸からの風景をは全く違って見える。走りまわっているうちに出てきたマリーナ
の位置がわからなくなってしまうなんて事も無きにしもあらず。マリーナを出たら、振り返
って風景を確認しましょう。海図を1枚買って、島や岬などの位置を確認したり、どこがどの
程度の水深があるか、暗礁など海図で確認して、実際の位置関係を頭に入れておくと、安
心して走れます。意外と陸から見て良く知っている地形でも、実際海に出て、どの島が何々
というのを勘違いする事もあるのです。これも新しい経験ですね。

始めての方に良く言うことですが、まず、セールを上げずにエンジンだけで走って、海域を
確認して下さいと言うことがあります。島の位置関係、島と岬が重なったりすると、遠くは
島であるか岬の一部であるかが解らない事があります。まずはホームポートで走りまわって
それらを確認して慣れる事をお奨めしています。この慣れが先々どこかに行った時にも役立
つはずです。それに距離感ですね。陸と違って見通しが良いだけに距離感が狂ってしまい
見えた島がどのくらいの距離あるのか、すぐそこに見えて意外と遠いものです。

最近ではGPSプロッターがありますので、簡単に位置関係は解りますが、自分の目で見て
どういう関係になるかも把握しておいた方が良いでしょう。ホームポートならすぐに慣れます。
そして、セールを上げて走ってみます。どのあたりを走っているかが自然にわかってきます。
ヨットはタックしたり、ジャイブしたり、くるくる回っている間に位置を見失う事もある。それで、
風景を見てすぐにどこという事がわかる。この解る事が大切です。これもヨットを楽しむ為の
ひとつの要素です。

ベテランの方には今更という感もあるでしょうが、たまにはホームポートの海図をじっくり見て
みるのも良いのではないでしょうか。新しい発見もあるかもしれません。以外とベテランの方
が近場で座礁させたなんて事も無いでは無いですから。油断は禁物ですね。

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