第二十話 ROLLGEN

ROLLGENのジェネカーファーラーは、マリーナで出港前にセールをセットし(巻いたまま)、降ろすのも、帰ってきてからマリーナで降ろすという事で、セーリング中に上げ下げをする必要がありません。これは大きなメリットになります。

ジェノアを使ってのセーリングから、ダウンウィンドに入るなら、ジェノアを巻き取って、それからジェネカーを展開する。簡単な事ですが、多少の要領が必要です。フォアステーがあって、その先にジェネカーですから、ジェネカーセールがフォアステーに絡まないようにする事が必要です。考えてみれば解りますが、セールが横から前方方向に流れる時に、ファーラーを回転させる事です。それは誰でも納得です。ところが、時に、ヨットの走っている方向が波、舵等で一時的にセールが後ろに来たりする事があります。ですから、要領はひとつ、セールの状態を見ながら巻く事です。

巻き取りながら、波のせいで、一時的に方向が変わったり、風があまり無く、セールの重みで、クリュー側の方がステイに近づいてきたり、そういう時にでも無闇に巻き続けますと、フォアステーに絡んだり、或いは、セールの上側がまだ巻いていないのに、下側が先に巻かれたりする事があります。ジェノアなんかのファーリングですとこういう事はありませんが、ジェネカーはセールが非常に軽いので、クリュー部にはシートが巻かれたりして、重みがありますから、風の具合によっては、ステイに近づいてきます。これが注意点、セールの状態を見ながらエンドレスロープを引いて巻く。
巻くときはセールを風で外に流しておく事ですね。

これさえ注意しておけば、ファーリングはやはり便利です。



ビデオをご覧ください。巻き取る時、セールが外側にはためいています。これが大事になります。
私も失敗した事があります。巻き取る時に、はためいていたセールが、近づいてきて、先にクリュー側を巻き取ってしまった。へたすとと、その上に、今度は上側を巻いてこんがらがってしまいました。その時は、袋が途中にできてしまいましたが、それでも、そのままにして、帰ってから、マリーナで処理をしましたが、できれば、そういう事は避けたいので、セールの巻き取り状態を見ながらファーリングする。それで、混乱を避ける事ができます。

これに慣れてさえおけば、ビデオのように、美しく開いて、簡単に閉じる事ができる。通常のジェネカーの展開に比べれば、遥かに楽にできます。

こういうファーラーの欠点も書いておかなければなりません。それはタックが固定になる事です。通常のジェネカーですと、タックラインをバウのブロックに通して、コクピットにリードしていけば、そのラインを出せば、セールのタックが上に上がります。セールはより深くなる。ラインを引きますと、タックが引かれ、下に下がる。そういうコントロールができません。タックはいつも固定位置になります。

でも、まあ、そういうコントロールまでしたい方には、ちょっとお奨めはできませんが、そういう方々はセーリングをもっと求め、クルーもおられるでしょうから、ファーラーは必要無いかもしれませんね。ジェネカーファーラーは、もっと気軽なダウンウィンドセーリングを望まれる方にお奨めです。
タックを上に上げれば、その分不安定にもなりますから、操船にもトリミングにもより注意が必要です。そういうコントロールまでしなくても、もっと気軽にダウンウィンドを走る事ができる。

兎も角、ジェネカーセーリングにトライ、ダウンウィンドの新しい世界を手に入れてください。

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