第四十二話 MOONDANCE 30

  クラシックなデザインは人気が高いですが、
  一般的には、クラシック艇は重い、遅いとい
  うイメージがあります。

  しかしながら、昨今のデザインでは、そこの
  認識は変わってきました。クラシックは、あ
  くまで見た目の雰囲気を楽しむ為であり、
  性能はやはり速い方が良い。という事で、
  クラシックな見た目に、モダンな性能という
  

   ヨットの流れが確実にあり、増えてきてい 
  ます。上から見たら、紛れも無くクラシック
  デザインですが、水線以下は、ご覧の通り。
  現物はこれからのようですが、計画排水量
  は何と2.2t 程度。軽いですね。
  上から見たら、ロングキールじゃないかという
  ようなデザインです。

  このヨットがどうこうという話では無く、確実に
  ひとつの流れとして、クラシックデザインの見   た目を維持しながら、モダンな帆走性能を施す。そういうヨットが増えてきています。クルージングを楽しみ、またセーリングも楽しみたい。そして、デザインは存在感のあるクラシック、或いは、イタリア調の流麗なモダン。

クルージングというひとつのジャンルが、確実に分裂し始めたのではないかと思います。クルージングと言えば、外洋のロングか、近場の沿岸です。そのうちの近場の沿岸において、これまではキャビン拡大路線が当たり前だったわけですが、その拡大路線が行き着いた感じがあります。
次に造船所は何をアピールするんだろう、と見てきたわけですが、多分、その答えがこれじゃないかと思います。

クルージングに加えて、セーリングを楽しむという事です。それもショートハンドで、高い帆走性能をというコンセプトです。これまでのクルージング艇のセーリングとは違います。セーリングヨットのセーリングを、簡単に味わえますよというアピールになるんではなかろうか?高性能を簡単操作で。

クラシックデザインは、そのギャップの面白さがあります。クルージング艇と見えながら、なかなか速い。別にモダンなデザインでも良いんです。とにかく、ショートハンド、シングルハンドで高性能セーリングを味わう事ができるヨット。そういう路線が出てくるのではないか?クルージングだけでは面白く無い、だけれどもレースするわけじゃないし、クルージングもしたい。

簡単に言えば、レーサークルーザーみたいなもんでしょう。でも、その同じジャンルに突っ込んでいったのでは、何ら新しさがありません。魅了する物が無い。それで新しそうに見える、高性能クルージング艇、その解りやすい典型的スタイルが、クラシックとモダンの融合なのではないか?

ですから、これからは、クラシックな見かけに水線以下は最新というヨットが数置く出てきそうな気がします。それじゃあ、アレリオンそのものじゃないか?となりますが、多分、もう少しキャビンを広くしたものが主流かな?でも、今のヨット程大きなキャビンは不要。軽い船体に高いバラスト比。つまり、今のヨットほどキャビンは広くなくても良いが、帆走性能を高めて、重心を低くして、セーリングも遊べる。そしてちょっとクラシックなデザインは、美しいし、存在感もある。

最もらしい事を書きましたが、これは全部間違いかもしれません。否、単なる希望的観測かもしれません。とにかく、近場のクルージング、セーリングにおいては、シングルやダブルハンドを容易にした、高性能セーリングヨットが絶対面白い。後は、クルージングとの妥協をどこで落ち着かせるかですね。でも、確かに、クラシックとモダンの融合は増えてます。これは本当です。

最近、世界のあっちこっちで発表されるデイセーラーですが、非常に高い帆走性能をい持っています。でもちょっとクラシックなラインを持っていますね。高いスタビリティーで、どの艇もワンデザインのレースを考えていたりしますが、同時にシングルでも簡単に乗れる。ところが、こういうヨットはキャビンはあって無きがごとし。こんなヨットに、ちょっと性能落としても、もう少し落ち着けるキャビンがあったら良いのでは、と思われた事ないでしょうか?

ロングの旅にでもいかない限り、大きなキャビンは不要である事が、だんだん解ってきました。そういう方にとっては、ショートハンド、高性能ヨットの方が似合う。気軽にシングルでも乗れて、ちょっと走り回って、別な機会には、クルージングでも使える。そんなヨットが、これからは.・・・・・・・?
合言葉はクラシックとモダンの融合です。多分、これからはそういうヨットがもっと出てくるのではないかという勘がしています。無責任な勘ですので、あしからず。

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