第四十三話 モダン+モダン

 
前話ではクラシックにプラス、モダンの融合でした。モダンというのが現代ですから、最新という事になり、それは進化の結果、進歩という事になります。何でもかんでも新しい方が良いとは限りませんが、近場のクルージングを楽しむとか言う場合、同時にセーリングも楽しめますから、そういう意味ではスピードが速いとか、反応が良いとか、そういう事も遊びの中にあった方が良いと考えます。

反面、この性能は外洋とかのロングの旅に出る場合は、マイナスになる部分もある。あまり反応の良い性能は、刻々と変わる変化に常に見張っていなければなりません。そんな事はロングでは疲れてしまいますから、多少は鈍いぐらいが良い。どの程度鈍いのが良いかは、オーナー次第ではあるとは思いますが。

さて、話を戻しますと、クラシック+モダン(性能)が出てくれば、その反対のモダン+モダン(性能)も出てくる。つまり、最新のデザインと最新の性能という事です。セーリングを楽しむにあたっては、性能的モダンが必要になり、加えて、見た目のデザインがクラシックVS.モダン、それももっと進んだモダンというのが出てくるようになる。

つまり、これからのヨットで、デイセーリングから近場のクルージングにおいては、クラシック+モダンとモダン+モダンのふたつになると思います。キャビン拡大競争が行き着く所まで来たなら、今度は、古い物を新しくアレンジして再登場させる事と、反面、今あるモダンをさらにモダンにさせる事のふたつ。

そういう意味で、上に2枚の写真を掲載しました。デザインはイタリアンデザイン。何故か、イタリア人というのは、デザインに優れている。アメリカや他のヨーロッパには無いデザインをします。もちろん、これは個人の好みの問題ですから、誰もが好きになるわけではありません。しかし、クラシックと対照的な位置に、このイタリアンが出てくるのではないか?そんな気がします。そんな事は無いと思われる方も多いとは思いますが、反面、納得できる部分もあるのでは無いでしょうか?

そこで、私個人的な見解ですが、これからのヨット、特に近場のセーリングと沿岸のクルージングまでを含めて、クラシック(トラディショナル)+モダン(性能)とモダン+モダンのふたつの推進をしていきたいと考えます。そういう意味でイタリアンデザインにも注目していきたいと思います。キャビン拡大競争の終わりと考えます。もう、そろそろ良いでしょう。

 
クラシック+モダン                   モダン+モダン

同じ33フィートデイセーラーでもデザインは全然違います。右側はイタリアンデザイン。レーサーか?と思うかもしれませんが、レースにも使うし、シングルハンドセーリングにも、ファミリークルージングにも使われています。好みの問題です。

 

このふたつもデザインは全然違います。どちらも38フィート。トラディショナルVS.モダン。

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